聴覚障害学特論Ｂ
博士前期課程言語科学研究科
MFLC7040
コース情報
担当教員: 大原 重洋
単位数: 2
年度: 2024
学期: 2Q集中
曜限: その他
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
授業内期末試験
授業期間中
詳細情報
概要
人間が音を聞く仕組みについて,聴器の構造と機能に基づき,解剖・生理学的に理解し,そこに障害(難聴)が生じた場合,認知・言語・心理・社会発達にどのような影響が生ずるのか学修する。さらに,乳児期から成人期の各種聴覚検査法の理論と結果の解釈法を学び,聴覚機能の評価・診断,及び,リハビリテーション適応に至る論理と手続きの実際について理解し,聴覚障害学(Audiology)における臨床・研究活動の知識基盤を構築する。
目標
１)人間が音を聞いて知覚するまでの経路と仕組みを理解する。 ２)障害部位と関連付けて,難聴の種類と障害特性,及び,生活上の困難を理解する。 ３)各種検査法の意義や適応,手技を説明できる。 ４)聴覚補償と聴覚活用の方法,及び,コミュニケーション手段について説明できる。 ５)聴覚障害特論A(指導・支援理論)・C(補聴器)・D(人工内耳),及び,聴覚障害学演習と関連付け,聴覚障害リハビリテーションと研究課題についての包括的な理解を得る。
授業外の学習
１)聴器の構造・機能・障害,聴覚障害リハビリテーションの科学的な理解に関わり,音響学,耳科学,及び,関連する領域について知見を広める。 ２)CiNii,Google Scholar,PubMedなどのデータベース,さらに日本聴覚医学会誌や日本音声言語医学会誌を検索し,興味のある現代のリハビリテーション課題やトピックスを理解し,議論に資する。 ３)講義内容に関連し,学内で実際に検査機器に触れて,検査手続きの具体的理解を進める。
所要時間: 190分
スケジュール
- 聴覚機能と聴覚障害-１:聴力と聞こえの仕組みの概要,難聴の種類と障害部位による特性
- 聴覚機能と聴覚障害-２:生涯発達学的視点での機能障害と活動・参加の制約の理解,リハビリテーションと社会的な支援の体制
- 聴覚の解剖・生理-１:伝音機構
- 聴覚の解剖・生理-２:蝸牛の構造
- 聴覚の解剖・生理-３:蝸牛の機能
- 聴覚の解剖・生理-４:中枢聴覚伝導路
- 聴覚検査と評価-１:標準純音聴力検査
- 聴覚検査と評価-２:語音聴力検査
- 聴覚検査と評価-３:中耳機能の評価(インピーダンスオージオメトリー他)
- 聴覚検査と評価-４:脳波による聴覚閾値検査(聴性誘発反応聴力検査,耳音響放射検査)
- 小児期の聴覚検査と聴覚診断-１:新生児聴覚スクリーニング検査と早期診断・療育
- 小児期の聴覚検査と聴覚診断-２:各種の幼児聴力検査と適用の実際(BOA,COR,VRA)
- 小児期の聴覚検査と聴覚診断-３:各種の幼児聴力検査と適用の実際(Peep Show,遊戯聴力検査)
- 聴覚の病理と聴覚診断,まとめ
教科書
毎回,講義資料(パワーポイント)を配布する。
言語聴覚士のための聴覚障害学
著者: 喜多村 健 編著
出版社: 医歯薬出版・2002
聴覚検査の実際 第5版
著者: 日本聴覚医学会 編
出版社: 南山堂・2024
標準言語聴覚障害学「聴覚障害学」第3版
著者: 城間 将江 他 編著
出版社: 医学書院・2021
参考書
随時紹介する。
特別支援教育・療育における聴覚障害のある子どもの理解と支援
著者: 廣田 栄子 編著
出版社: 学苑社・2021
Foundations of aural rehabilitation: Children, adults, and their family members.
著者: Tye-Murray, N.
出版社: Plural Publishing.2022
Pediatric Amplification: Enhancing Auditory Access
著者: McCreery, Ryan W. & Walker, Elizabeth A.
出版社: Plural Publishing.2017