地域統合研究1

博士前期課程グローバル・スタディーズ研究科 - 国際関係論専攻

MFIR7020

コース情報

担当教員: 中内 政貴

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 木4

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

授業参加

50%

レポート

50%

詳細情報

概要

1990ー2000年代に隆盛を誇った地域統合研究は,何を明らかにし,どのような限界を有していたのだろうか。そして,地域統合の先進的な事例と考えられてきた欧州連合(EU)が金融危機,難民危機,コロナ禍,さらにロシアによるウクライナ侵攻に直面して,その限界が言われる現在,地域統合研究は意義を失ってしまったのだろうか。 本講義では,最近の文献を通して近年の議論をふまえたうえで,現状の分析を行う。また,受講生には,地域統合研究の枠組みを用いた分析を実施し,研究発表を行うことを求める。

目標

地域統合について,最近の文献を把握し,関連する現在の国際関係の事象への理解を深め,議論を行えるようになる。

授業外の学習

本講義では,講義内容の考察や追加的な調査の実施を参加者に求めることに加えて,学部の講義では地域統合について学習していない参加者が多いことを想定し,基本的な知識のインプットも重視する。参加者は,最低でも毎週の講義の復習に40分,毎回指定する文献の内容の把握に70分,次回の内容の予習と追加的な調査に70分,考えをまとめるために30分を費やすことを求める。

所要時間: 210分以上

スケジュール

  1. イントロダクション:地域統合研究の意義
  2. 文献講読および議論(1)欧州統合の歴史:リベラリズム的視点から
  3. 文献講読および議論(2)欧州統合の歴史:リアリズム的視点から
  4. 文献講読および議論(3)欧州統合の歴史:コンストラクティビズム的視点から
  5. 文献講読および議論(4)EUの規範とその影響力
  6. 文献講読および議論(5)金融危機と地域統合
  7. 文献講読および議論(6)難民危機と地域統合
  8. 文献講読および議論(7)武力紛争と地域統合
  9. 文献講読および議論(8)地域統合の拡大とその問題点
  10. 文献講読および議論(9)アフリカにおける地域統合
  11. 文献講読および議論(10)東南アジアにおける地域統合
  12. 文献講読および議論(11)北東アジアにおける地域統合
  13. 文献講読および議論(12)地域統合の限界と新たな展開
  14. 履修者による研究発表

教科書

下記の文献に加えて,講義内で指示を行う。

  • 『EU政治論—国境を越えた統治のゆくえ』

    著者: 池本大輔,板橋拓己,川嶋周一,佐藤俊輔著

    出版社: 有斐閣,2020年

  • 『外交・安全保障政策から読む欧州統合』

    著者: 中内政貴,田中慎吾編著

    出版社: 大阪大学出版会,2023年

参考書

  • 『世界政治と地域主義ー世界の上のアメリカ,ヨーロッパの中のドイツ,アジアの横の日本」

    著者: P. J. カッツェンスタイン(著),光辻克馬・山影進(訳)

    出版社: 書籍工房早山,2012年

  • 『ヨーロッパ統合史』(増補版)

    著者: 遠藤乾編

    出版社: 名古屋大学出版会,2014年

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