国際開発協力研究:ラテンアメリカ

博士前期課程グローバル・スタディーズ研究科 - 地域研究専攻

MFAS7770

コース情報

担当教員: 受田 宏之

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火3

形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

授業参加

20%

リアクションペーパー

10%

レポート

70%

詳細情報

概要

新自由主義,グローバリズムの時代に,ラテンアメリカを論じることの意味と地域研究の意義について考察する。最初に地域研究の役割とラテンアメリカの歴史的特質を,続いて近年のラテンアメリカ諸国が辿った変容について論じた上で,地域研究が有効な視点を提供すると考えられる様々なテーマを扱う。それを通じて,新自由主義およびそれに対抗する言説と運動について,正確な理解と独自の批判的視点を養うことを目指す。授業は講義形式とするが,後半にディスカッションの時間も設ける。メキシコの事例や先⾏研究を多く取り上げるが,受講者の関⼼を考慮しつつ,適宜他国の事例や研究も紹介する。

目標

1. 現代のラテンアメリカに共通してみられる特徴と域内の多様性について,基礎的な知識を身に付ける。 2. 複数のテーマを取り上げつつ,異なる分析と解釈の枠組みがあること,それらの長所と短所を学ぶ。 3. 自分の関心あるテーマについて,どのような枠組みを用いればよいかの手がかりを得る。 4. コロナ禍が露わにした従来の開発課題およびそれがもたらす新たな挑戦について考える。

授業外の学習

1. 毎回の授業の最後に紹介される次回授業のたたき台の文献と資料を読んだ上で,授業に出席する。主として,近年公刊された英語の参考文献(20~40頁前後)と資料を用いる。予習時間としては,3~5時間程度が期待される。扱うテーマが前年と重複しても,読む文献は異なるようにする。 2. 授業後に,レジュメや参考文献,資料を見直しながら復習する。1~2時間程度。

所要時間: 4~7時間

スケジュール

  1. イントロダクション:地域研究とラテンアメリカ<対面>
  2. 新型コロナウイルスとラテンアメリカ:ラテンアメリカの達成と残された課題<対面>
  3. 植⺠地化とラテンアメリカの形成:新制度学派のナラティブ<対面>
  4. 輸⼊代替⼯業化の挫折:産業政策について考える<対面>
  5. テクノクラートの躍進と社会的分断:改革の政治経済学<対面>
  6. 進化する新⾃由主義:効率的な貧困削減策とその限界<対面>
  7. 一次産品のどこが問題なのか:21世紀における一次産品依存<オンライン>
  8. 抵抗する小農:フェアトレードとアグロエコロジー<オンライン>
  9. 公定多文化主義 vs. EZLN:先住民問題<オンライン>
  10. チャベスとオブラドール,ミレイ:ポピュリズム再考<オンライン>
  11. 脆弱な国家と犯罪組織,社会規範:⿇薬カルテルと暴力<オンライン>
  12. 受講者の研究報告(1)<オンライン>
  13. 受講者の研究報告(2)<オンライン>
  14. 総括:多様なるメキシコ(ラテンアメリカ),ポストコロナ世界における課題,ラテンアメリカから得た学び<オンライン>

教科書

特になし

    参考書

    初回の授業時に,参考文献のリストを配布する。

    • The Puzzle of Latin American Economic Development (Fourth Edition)

      著者: Franko, Patrice

      出版社: Rowman & Littlefield Publishers, 2018

    • The Political Economy of Latin America: Reflections on Neoliberalism and Development after the Commodity Boom

      著者: Kingstone, Peter

      出版社: Routledge, 2018

    • 新興国は世界を変えるか

      著者: 恒川恵市

      出版社: 中公新書, 2023

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