経営財務論特講Ⅰ
博士前期課程経済学研究科 - 経営学専攻
MEMG7170
コース情報
担当教員: 石井 昌宏
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水3
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
レポート
その他
授業参加を最も重視して成績を評価します. 詳細については, 第1回の講義で説明する予定です. 履修希望者は第1回講義へ必ず参加してください.
詳細情報
概要
証券投資や資産価格評価に関する問題, 資本構成と信用リスクに関する問題, リスク計測とリスクコントロールに関する問題, これらの一部あるいは全部に関連する文献を講読することによりファイナンスという研究分野の核を形成する諸概念を理解し, 修士論文におけるデータ分析等においてそれらを応用できる能力の獲得を目標とする. なお, 輪読, 質疑応答, 履修者間でのディスカッションを中心とする講義形式である. 第1回目の講義において受講者と相談し, その興味・関心等を鑑みて文献を決める予定である. また, ファイナンスで応用されている確率モデルに関する諸性質を学ぶための文献が選択される場合もあることを注意しておく. なお, 履修者が黒板を利用してある内容を説明する, あるいは, 履修者間でのディスカッションも予定しています
目標
ファイナンスを対象とし数理モデルを用いて現象を理解することを目標とします. 数理モデルを分析道具として経営に関連する現象を考察する方法を本講義を通じて習得することが受講者に期待されます. この方法は経営学の研究領域へも適用可能です. このため, この方法を修士論文において適用可能になることも目標としています.
授業外の学習
予習は90分程度と思われます. 講義の前にはテキストの講義予定箇所を熟読してください. その時, 鉛筆を持ちながらテキストに掲載された例や問題等を考察してください. 復習は100分程度と思われます. 講義後には講義内で扱った例や問題等を独力で(テキスト等を見ることなく)解くことを試みてください.
所要時間: 190
スケジュール
- 履修希望者は第1回講義へ必ず参加してください. 履修希望者は第1回講義へ必ず参加してください. 受講者と相談して講義で輪読する文献を決める予定です. 第2回以降の講義の全体像や成績評価方法等の履修に関わる重要事項を説明する予定です. 以下の講義計画はテキスト1を用いることを想定した予定です. 受講者との相談により他のテキストが選ばれることになれば, 授業計画も変更されます.
- 確率論の復習(1) (確率空間, 確率変数, 確率分布, 期待値, 分散, 標準偏差).
- 確率論の復習(2) (同時分布, 周辺分布, 確率変数の独立)
- 確率論の復習(3) (共分散, 相関係数, 大数の法則, 中心極限定理)
- 保険の原理と保険料の決定(1) (保険契約, 保険料, 確率モデルによる損失の表現)
- 保険の原理と保険料の決定(2) (リスクプーリング)
- 効用関数を基礎とする保険市場の考察
- デリバティブ(1) (デリバティブ, デリバティブを利用したリスクヘッジ)
- デリバティブ(2) (無裁定, デリバティブの価格評価)
- 代替的リスクファイナンス
- ポートフォリオ選択問題(1) (ポートフォリオとそのリスク低減効果)
- ポートフォリオ選択問題(2) (効率的フロンティア, 分離定理)
- Capital Asset Pricing Model(1) (マーケット・ポートフォリオ, 資本市場線, 証券市場線)
- Capital Asset Pricing Model(2) (システマティック・リスク, 固有リスク, ファクターモデル)
教科書
テキストの選択には, 履修者の背景や興味関心をある一定程度は反映させる予定です. このため, 履修希望者は第1回講義へ必ず参加してください. 以下はテキスト候補の例です.
リスクマネジメント
著者: 柳瀬典由・石坂元一・山崎尚志
出版社: 中央経済社, 2018
金融経済学
著者: 清水克俊
出版社: 東京大学出版会, 2016
Asset Pricing and Portfolio Choice Theory, 2nd edition
著者: Back, K. E.
出版社: Oxford University Press, 2017
参考書
書籍情報はありません。