宗教的人間論演習
博士前期課程実践宗教学研究科 - 死生学専攻
MARL6010
コース情報
担当教員: 酒井 陽介
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 火5
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
出席状況
授業参加
その他
授業内における担当発表をもって50%の評価とする。
詳細情報
概要
この演習でともに考えたいのは,「人間の宗教性」についてである。『証し』という著作から詳細なインタビューを例にとって,日本で生きるさまざまなキリスト者(クリスチャン)の抱える現実に耳を傾け,味わいながら,生きるとは,信じるとは,死ぬとはなど,人間の実経験を考察をする。ここでは,人がなぜ信じるに至ったのか,信じて何が起きたのか,信じても何が苦しいのかを共に考えていきたい。グリーフケアやスピリチュアルケアの現場で,さまざまな宗教的価値観との出会いが予想される。この授業を通して,今後の研究に必要な宗教リテラシー,特にキリスト教の思想から学ぶ。キリスト教の基本的内容については,随時,授業内で説明する。そのために,学生の発表と活発なディスカッションを期待する。
目標
人間が本来有している宗教性についての理解を深めるとともに,包括的な宗教性について問いかけをなすことができるようになる。さらに,キリスト教についての基礎的宗教リテラシーを身につけることができる。
授業外の学習
【予習】(所要時間:各回 120 分程度) 1)毎回,授業で扱う課題箇所を読み,要約を作成した上で授業に参加する。 2)文献の内容理解のために必要な知識・情報を各自で調べ準備する。 【復習】(所要時間:各回 80 分程度) 1)自筆ノートを利用し,再度体系的に授業で習ったことを確認し,振り返り,第一に取り組むべき復習となる。 2)自分なりにテーマを掘り下げ,自分なりの考えを養う。それが,講座のテーマの理解に役立ち,講義内での活発なディスカッションや,何よりも一人一人の学びと洞察(インサイト)につながる。 3)授業後に残った疑問点については,再度体系的なテキストを使用したり,担当教員に質問したりして解消を図る。
所要時間: 予習・復習200分。
スケジュール
- イントロダクション:人間存在の諸相 *以下は予定であり,授業の進捗状況により,各テーマの内容と回数は変更することがあります。
- 回心 私は罪を犯しました
- 洗礼 人間ではよりどころになりません
- 家族 神様より親が怖かった
- 献身 お望みなら杯を飲みましょう
- 奉仕 自分の意志より神の計画
- 社会 教会という社会に生きる
- 差別 神はなぜ私を作ったか
- 政治 政治と信仰
- 戦争 そこに神はいたか
- 運命 神はなぜ奪うのか
- 赦し それでも赦さなければならないのか
- 真理 真理を求めて
- 復活 これが天の援軍か
教科書
教科書は一冊のみ指定するが,基本毎回,指定箇所のコピーを配る。
証し 日本のキリスト者
著者: 最相葉月
出版社: 角川書店 2022
参考書
ヨーロッパ思想入門
著者: 岩田靖夫
出版社: 岩波書店 2022
一神教とは何か
著者: 小原克博
出版社: 平凡社新書 2018