知的財産の基礎と実践(特許になる発明の創作)

応用データサイエンス学位プログラム

MADS7410

コース情報

担当教員: 川北 喜十郎

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 火4

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

レポート

100%

その他

その他/Others(in detail) :自らの課題を見出し,特許になるレベルの発明を創作し,レポートとして提出及び発表します。発明が新しいか否かは授業で学ぶ特許調査方法を使って授業時間外で調査を行います。著作権については講義レポートを提出します。試験はないので試験のための勉強は不要です。講義の出席は,8割以上必要です。

0%

詳細情報

概要

1.授業概要 特許の授業では特許や著作権の法律的な知識の習得はもちろんのこと,発明の創作手法を学び,実践的な創作の場を設けます。具体的には,自らの専門分野における課題に対する解決手段を特許という観点から検討し,特許化できる発明をつくり上げることを目指します。 著作権の授業では,AI・データサイエンスに関連するビジネスを実践する上で注意すべき著作権法の知識と法的思考過程を身につけることを目標とします。 2.授業の進め方 特許の授業では,前半に知的財産権の制度や法律を分かり易く説明します。後半は,特許になる発明の創り方を身につけてもらうために,データサイエンスの分野のみならず様々な分野の発明例を見ながら,課題に対する解決方法を検討してもらいます。 授業期間を通じて,自らの課題を見つけ(講師の用意した課題ではなく),それに対する解決手段となる発明を特許になるレベルでつくり,授業の最終回に発表して頂きます。各自の解決手段が新しいかどうかを見極めるために,PCを使った特許調査の練習と実践も行います。各自の創作過程で,アイデアが徐々に特許性の高い発明になるように講師がアドバイスします。講師は学生とのコミュニケーションを重視します。 著作権の授業では,特許との違いも意識しながら,IT,AI,データサイエンス等に関連する著作権法の総論的な前提知識を説明した上で,AI・データサイエンスに関連するビジネスに特有な著作権法の論点及び最新の動向についてディスカッションを行い,著作権侵害の実務対応についても考察することにより,著作権侵害をしない・されない安全なビジネスの構築について認識を深めることを目指します。 ◎受講対象者:研究開発者に限らず,知的財産に興味がある方や発明,アイデア作りをやってみたい人ならどなたでも受講できます。理工学部の大学院生も受講できます。理工学部の大学院生は研究テーマを有しているために,そのテーマを知的財産化するための具体的な手法を学ぶことができます。

目標

1.知的財産の概要とその特殊性を理解する 2.自ら課題を発見し,それを解決する新しい発明,特に特許になるレベルの発明を創る 3.創った発明のビジネス展開を模索し,創作とプレゼンを通じて自己をアピールする

授業外の学習

自らの専門分野で課題を見出し(決定し),それを解決する特許になるレベルの発明を創るための調査や検討を行う。

所要時間: 190分(文部科学省令「大学設置基準」第 21 条第 2 項に従うとされている時間にすぎません)

スケジュール

  1. ガイダンス,知的財産と社会: 知的財産権とそれを学ぶ意義を事例を通じて説明する。授業全体のスケジュールや評価基準について言及する。
  2. 発明と特許制度: 発明とは何か?発明の思想性に由来する知的財産権の特徴,データサイエンス分野における発明の捉え方,発明の課題と構造,発明が特許になるまでの制度概要。 創作概論:組合せによる発明創作(演習)
  3. 発明の新規性(特許要件)とその例外: 発明が新しいとはどういうことか?特許庁の審査のしくみ,学会発表やメディア掲載・販売と新規性の関係,特許公報と調査 創作概論:課題の発見と発明創作のプロセスの全体
  4. 発明の進歩性I(特許要件): 発明が進歩しているとはどういうことか?事例発明を使った進歩性の度合い,進歩性を裏付ける要因。AIを使った発明の進歩性事例 創作概論:課題の発見と創作アプローチ1
  5. 発明の進歩性II 進歩性を向上させるための手法 創作概論:課題の発見と創作アプローチ2
  6. 特許プラットフォームによる特許調査I(@PCルーム): 実際にパソコンを使っての検索練習
  7. 特許プラットフォームによる特許調査II(@PCルーム又は教室): 特許の経過情報の見方,各自の創作した発明に関連する技術の調査
  8. )特許権の効力:特許の独占性と排他性,特許ライセンス,特許権の範囲(特許請求の範囲の捉え方,書き方) 2)特許裁判:無効審判,特許侵害の攻防など 創作概論:創作アプローチ3
  9. )職務発明:会社で行った発明はどう扱われるか? 職務発明の取り扱いと報酬 2)国際特許: 外国で特許を取るには?PCT,パリ条約などの特許条約の意義,欧州,米国などの特許制度の特徴。
  10. 著作権Ⅰ 【著作権総論①】 1)著作権法の目的 2)著作物(データの位置付けを含む) 3)IT・プログラムと著作権 4)データベースと著作権
  11. 著作権Ⅱ 【著作権総論②】 1)著作権の制限 2)著作物の利用 3)著作権の侵害 【AIと著作権①】 1)最新動向 2)開発・学習段階(データ利用と著作権制限等)
  12. 著作権Ⅲ 【AIと著作権②】 1)生成・利用段階(AI生成物による著作権侵害,AI生成物は著作物か,AI生成物の著作者は誰か等) 2)実務対応(権利者側,利用者側,契約等)
  13. )意匠(プロダクトデザイン): 意匠の登録対象と要件,部分意匠,二つの意匠の類似判断基準。Phoneの登録意匠 2)商標:商標の登録対象(色,臭い,音,立体等)と登録要件,二つの商標の類似判断基準。自己の発明品の商標名を創作する。 次週のプレゼンについて
  14. プレゼンテーション: 各自が特許になる発明とビジネスプランを発表

教科書

特許の講義はテキストに沿って説明します。創作法に関しては後記の参考書を参考にすることができます。 著作権については,レジュメを配布します。必要に応じてレジュメの末尾に参考文献を記載します

  • 実例からわかる特許化の要点

    著者: 川北喜十郎

    出版社: 森北出版・2022年

参考書

  • 発明のつくリ方

    著者: 川北喜十郎

    出版社: 発明推進協会2013年

© 2025 上智非公式シラバス. All rights reserved.