データビジネス実践6(広告・メディア)/DATA BUSINESS PRACTICE (ADVERTISING
応用データサイエンス学位プログラム
MADS7390
コース情報
担当教員: 宮腰 卓志
単位数: 1
年度: 2024
学期: 3クォーター
曜限: 火5
形式: 対面授業
レベル: 600
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
授業参加
50%
リアクションペーパー
50%
詳細情報
概要
マーケティング・広告・メディアビジネスにおけるデータサイエンス活用について,広告会社のデータサイエンティストがビジネスの現場での活用事例や最新の話題をオムニバス方式で講義する。講義はマーケティング・広告・メディアビジネスの概要と変化からスタートし,マーケティング戦略策定への数理モデル活用,広告配信の最適化や効果検証・予測といった現在,普及している活用シーンを解説。そして最後に,これから活用が進んでいくと思われる生活者洞察やコンテンツ開発といった新しいテーマを紹介する。
目標
1)マーケティング・広告・メディアビジネスにおけるデータサイエンス活用における基礎知識を修得する。 2)データサイエンスを活用したマーケティング業務や広告・メディアビジネスの企画・構想ができるようになる。 3)上記を実践・実装するにあたり必要となるプログラミングやデータハンドリングなどのエンジニアリングスキルの概要を知り,今後のスキル習得の必要性を理解する。
授業外の学習
授業15時間+予習復習30時間 *予習復習に参考書を指定する場合がある。
所要時間: 190分
スケジュール
- 概論:マーケティング・広告・メディアビジネスの概要と変化 デジタルテクノロジーの進化・浸透によってメディア環境は大きく変化し,その影響はさまざまなビジネスのXaaS化を引き起こしている。マーケティング・広告・メディアビジネスにおいて現在生じているこのビジネス変化について解説する。また変化の中心であるデータサイエンスがマーケティングプラニング・メディアプロモーション・コンテンツ開発にどのように活用されるかについて概略を掴む。
- マーケティング:効果検証 マーケティングにおける最もオーソドックスで,かつ数字に基づいてビジネスを前進させる力となるデータ活用方法は,効果検証である。A/Bテストやランダム化比較試験,差分の差分法といった効果検証の基本的な方法論(設計・実施・検証)を学習する。
- マーケティング:数理モデル マーケティングは企業の業績を左右する活動である。マーケティング活動と売上の関係を数式(数理モデル)を用いて解明し,マーケティング効果の推定や予測を可能にする方法を学習する。同時に,数理モデルを通じて生活者の消費心理や購買行動の理解を深める。
- メディア:広告配信の最適化・効果の予測 デジタルテクノロジーはメディアをデジタル化してきた。スマートフォンの必需品化のみならず,テレビもスマート化した。こうしたメディアから取得・利用できるデータを紹介し,視聴率や広告効果の予測や広告配信の最適化に活用される機械学習や自然言語処理について学習する。
- 個別テーマ:自然言語処理と生活者理解 データはすべて数字ではある。ツイートなどのテキストも数字に置き換えることができる。しかしデータは数字以上の意味をもつ。それが文脈である。自然言語処理によって生活者の文脈を理解することで広告配信のあり方をアップデートする試みを紹介する。
- 個別テーマ:マーケティングの新しいものさし マーケティングの効果とは果たして企業の業績だけであろうか?ブランドや社会に及ぼす影響,生活の質への貢献など,定量的なビジネス指標ではカバーできない効果がある。ブランド・ウェルビーイング・ヘルスケアなど,生活の善を測るものさし(尺度)をデータサイエンスを用いて構築する試みを紹介する。
- コンテンツ・クリエイティブ:世の中を“沸かす”データサイエンス マーケティング・広告・メディアビジネスでのデータサイエンス活用は,最適化や効果予測,業務効率化にとどまらない。データサイエンスを活用し,世の中を“沸かす”コンテンツ・クリエイティブを実現する事例が生まれている。最終回はコンテンツ・クリエイティブへの活用事例を紹介する。
教科書
テクストは授業で配布する講義資料とする。 授業後,復習に利用する参考書は講義ごとに紹介する。
参考書
「広告ビジネスは,変われるか? テクノロジー・マーケティング・メディアのこれから」
著者: 安藤元博
出版社: 宣伝会議・2022年
マーケティングミックスモデリングガイドブック(https://www.hakuhodody-media.co.jp/aaas/news/mmmguidebook.html)
著者: 宮腰卓志
出版社: 博報堂DYメディアパートナーズ・2023年