データビジネス実践4(製造)

応用データサイエンス学位プログラム

MADS7290

コース情報

担当教員: 山田 篤伸

単位数: 1

年度: 2024

学期: 1クォーター

曜限: 木5

形式: 対面授業

レベル: 600

アクティブラーニング: なし

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

50%

レポート

50%

詳細情報

概要

製造メーカーは,製品の企画・開発・製造・販売・アフターサービスといった「製品ライフサイクル」の全過程において,多様なデータを管理している。製品の企画段階では市場調査データが重視される。開発部門は製品が満たすべき要件をもとに機械機構や制御ソフトウェアが設計され,また,原材料の配合や加工配分などのレシピを作成して管理する。製造部門では生産計画や実績データが大量に生成される。アフターサービスでは,故障解析データや交換部品在庫の受発注実績データなどが存在する。こうしたデータはサプライチェーンとは別に「エンジニアリング・チェーン」として相互に関連をもちつつ循環的に作用している。本科目では,製造メーカーに特徴的なデータを,エンジニアリング・チェーンに沿って概説し,最後に将来的に整備の促進が期待されるデジタル・スレッドに関しての知見に触れる。

目標

1) 製造メーカーの業務プロセスの概要を理解する。 2) 設計・生産・販売・アフターサービスの各業務で取り扱われるデータ特性の概要を理解する。 3) 今後製造メーカーが向かうデジタル・スレッド(データ水平連結)に関する概要を理解する。 4) 企業がデジタル・スレッドを指向する理由と課題を理解する。

授業外の学習

1) ウィンタースや加重移動平均など,需要予測に使われる統計手法の概要予習,2時間,復習1時間 2) 性能/稼働率/品質など設備総合効率の算出に必要な概念と計算式の予習,2時間,復習1時間 3) 故障予測に必要とされる統計解析手法の概要予習,2時間,復習1時間 4) 故障モード影響解析(FMEA/FTA)に関する概要予習2時間,復習1時間 5) 製造業の開発設計におけるV字モデルとモデルベース・エンジニアリングの概要,予習2時間,復習1時間 6) レポート作成 15時間

所要時間: 190

スケジュール

  1. ・製造業のデータの流れ概要を理解する。サプライチェーンとエンジニアリングチェーンの違いと関係に関する概論。スマイルカーブと利益の源泉について。
  2. ・設計概要1:モデルベース・システムズ・エンジニアリング(MBSE)やV字開発などの概要を紹介し,データを用いた設計業務の流れを理解する。
  3. ・設計概要2:3次元CADによる設計,設計BOMによるデータ管理,FTA/FMEAによる故障モード解析など,設計の現場で利用されるデータの特性を理解する。
  4. ・製造概要1:工場の生産を支えるデータの種別と特性を理解する。工場の生産効率を図る各種指標(Performance / Quality /Availability / OEE)の概要を理解し,各指標算出の元となるデータの特性と取得方法などを理解する。
  5. ・アフターサービス概要1:保守用品の需要予測に関するデータ特性と統計手法を理解する。
  6. ・アフターサービス概要2:サービスモデルの歴史変遷と,IoTがもたらす予測保守・予防保守に関する概要を理解する。
  7. ・デジタルスレッドと未来の製造業:エンジニアリング・チェーン・マネジメント(ECM)全域にわたるデジタルスレッドの構築がもたらす業務改革に関してその概要を理解する。

教科書

教科書は指定せず必要に応じて資料を配付する。

    参考書

    • 書名:IoT が製造業に迫るサービス化の波 ものづくりからことづくりへ

      著者: 山田 篤伸

      出版社: インプレス・2016

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