労働法演習

専門職学位課程法学研究科

LWS55200

コース情報

担当教員: 富永 晃一

単位数: 1

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 水2

形式: 対面授業

レベル: 700

アクティブラーニング: なし

他学部履修: 不可

評価方法

授業参加

30%

レポート

70%

その他

・成績評価基本原則に準じ,①平常点30%,②レポート課題等70%の総合評価による。「平常点」の内訳は,授業参加(30%)とする。「レポート課題等」の内訳は,期末のレポート課題(40%)と,各回の骨子(小レポート)の作成(30%)とする。欠席は,授業参加上の減点事由として扱う。

30%

詳細情報

概要

本演習では,事例問題を検討することにより,労働法の実践的能力を伸展することを図る。労働法の知見を,具体的事案の解決に応用する力を身に着けることを目標とする。 これは,教育研究上の目的及び人材養成の目的(https://www.sophia.ac.jp/jpn/program/GR/GR_objectives.html#06-2)にいう「将来法曹(裁判官・検察官・弁護士)の専門家として活躍する人材を養成する。」という目的等に沿ったものである。 事前に配布された事例問題・判例を読み込み,当日の授業では積極的に討論に参加して意見を述べることが望ましい(本演習は,予習不足の場合,明らかに不毛な内容になると思われる)。受講者は,労働法に関する科目(労働法基礎,労働法Ⅰ,労働法Ⅱ)が履修済みであるか,本演習と並行して履修していることが望ましい。 【重要・注意】本科目は相対評価の要素を重視し,評価を厳格に実施する予定である(仮に授業参加やレポート等での個別の評点が相当に高く,絶対的には高い達成度に至ったとしても,相対評価の要素を重視した結果として,成績の最終評価が非常に低くなる可能性もある)ため,履修にあたっては厳に注意されたい。

目標

本講義では,法務実務において必要となる労働法の知識,思考方法,法技術の修得を目指す。労働法の専門的実務能力を有する法律家となるための基礎を築くとともに,新しい労働法的諸問題にも対応できる論理的思考能力を養成するという目的下,以下の目標を設定している。これらは「社会で幅広く活躍できる法律家としての専門的知識,思考力および技能」)と「専門的知識」「幅広い知的好奇心とそれを生かすコミュニケーション能力」)等の獲得のための重要な要素である。 (目標) ・法曹実務において必要となる労働法の知識,思考方法,法技術の修得。 ・労働法的観点からの,社会における労働問題の発見能力。 ・労働法的観点からの,社会における労働問題の分析能力,論理的思考能力。 ・労働法的観点・労働法政策的観点からの,社会における労働問題への対処方法の提案能力。

授業外の学習

予習・復習については,それぞれ各回130分程度が必要と見込まれる。 【予習】(他科目も同様であろうが)授業は労働法上のトピックの一部を扱いうるにすぎない。予習が学習の中心となる。 ①課題を予習する(特に関係する判例・裁判例に注意する)。 ②事例問題については,予め簡単な骨子(起案してもよい(望ましい)が,箇条書き等でもよい)を作成しておく(訴訟等における請求内容の明示,請求についての説明・争点整理(解釈上の問題点の指摘),規範の定立(一般論),適用・判断(事実認定を含む),結論などを示す)。 【復習】下記①~③を行うことを推奨する。 ①事案で争点解決で用いた一般論に係る主要な判例法理等は,記憶する(単語帳等に書いたり読み上げたりして,何も見なくても「出せる」ようにする)。 ②必要に応じ,全体の見通しの良い教科書等で法理間のつながりを確認する。細かい点は,詳しい参考書で確認する。 ③事案や判例に立ち返り,法規範(条文・判例法理)を適用し判断する練習をする(イメージしてみる,簡単な箇条書きメモで構成してみる,実際に起案してみる)。また,事案の前提事実が変わるとどう帰結が変わるか?,という点を考えてみる。

所要時間: 260分

スケジュール

  1. ※以下は現段階での計画であり,演習であるという性格上,授業の進捗状況や受講者の理解度等を考慮してトピックの回数・内容等を柔軟に変更する可能性がある。 第1回 イントロダクション,個別的労働関係法1(解雇,配転) 〔到達目標〕 ○人事権(配転,出向等)の判断枠組みを理解し,具体的なケースで適用できるようになる。
  2. 第2回 個別的労働関係法2(労働時間) 〔到達目標〕 ○労働時間に関する問題(時間外割増賃金等)の判断枠組みを理解し,具体的なケースで適用できるようになる。
  3. 第3回 集団的労働関係法1(統制権,争議行為,ロックアウト等) 〔到達目標〕 ○統制権,争議行為,ロックアウト等に関する論点の判断枠組みを理解し,具体的なケースで適用できるようになる。
  4. 第4回 集団的労働関係法2(団体交渉等) 〔到達目標〕 ○団体交渉・労組法上の使用者等に関する論点の判断枠組みを理解し,具体的なケースで適用できるようになる。
  5. 第5回 集団的労働関係法3(組合活動等) 〔到達目標〕 ○団体交渉・労組法上の使用者等に関する論点の判断枠組みを理解し,具体的なケースで適用できるようになる。
  6. 第6回 個別的労働関係法・集団的労働関係法総合1(就業規則による不利益変更等) 〔到達目標〕 ○就業規則ないし労働協約による労働条件の変更に関する論点の判断枠組みを理解し,具体的なケースで適用できるようになる。
  7. 第7回 個別的労働関係法・集団的労働関係法総合2(その他の論点) 〔到達目標〕 ○最近の重要判決等で示された判例法理を理解でき,具体的なケースに適用できるようになる。

教科書

事例問題,関連判例等の資料を配布する。労働法基礎や労働法Ⅰ・Ⅱの授業で使用した資料等を参照することがある。改版がありうるので注意されたい。

    参考書

    以下に例を挙げるが,基本的に労働法Ⅰ・Ⅱの授業で使用したものでよい。改版があるので注意されたい(労働法は法改正や判例の変動が頻繁なので,改版がある場合,新しい版を用いることが望ましい)。下記はあくまで一例である。 (入門)森戸英幸『プレップ労働法(第7版)』(弘文堂,2023) (受験~実務)菅野和夫『労働法(第12版)』(弘文堂,2019),水町勇一郎『詳解 労働法(第3版)』(東京大学出版,2023) (判例集)荒木尚志ほか編『労働判例百選(第10版)』(有斐閣,2022)

    • 労働法 第10版

      著者: 水町勇一郎

      出版社: 有斐閣,2024

    • 労働法 第5版

      著者: 荒木尚志

      出版社: 有斐閣,2022

    • 最新重要判例200 労働法 第8版

      著者: 大内伸哉

      出版社: 弘文堂,2024

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