国際経済法

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1. GATT・WTO体制概論 授業内容〕 WTOの歴史的パースペクティブ(戦後国際経済体制の構築,ブレトンウッズ体制における国際貿易機関(ITO)の失敗,GATTの誕生と発展,ウルグアイ・ラウンドとWTO誕生,WTOの20年/新ラウンドの現状/WTO協定の構造/国際機関WTOのガバナンス 〔到達目標〕 ○ 戦中・戦後の国際貿易政策史の中にWTOを位置づけ,GATT以来のその組織や機能の変遷を辿る。 ○ 国際機構としてのWTOの仕組みとWTO協定全体の構造を理解する。
2. WTO協定の国内実施 〔授業内容〕 条約の直接適用・国内効力の理論的枠組み/主要国におけるWTO協定の国内実施(米ウルグアイ・ラウンド協定実施法・EUにおけるECJ判例の発展)/我が国におけるWTO協定の国内実施(西陣ネクタイ訴訟,豚肉差額関税訴訟) 〔到達目標〕 ○ 国際法における条約の直接適用・国内効力の学説を整理・復習する。 ○ 我が国におけるGATTをはじめとした国際条約の直接適用に関する判例を理解する。 ○ 欧米におけるWTO法の直接適用のあり方について比較法的に理解する。
3. 関税とその適用に関する規律 〔授業内容〕 関税の種類と法的根拠に関する基礎知識/ラウンドにおける関税引下げの手法とその変遷/関税譲許の拘束とGATT２条の解釈/関税表の解釈/関税譲許の再交渉/関税分類/関税評価/原産地規則/通関規則および貿易円滑化 〔到達目標〕 ○ 関税制度の概要に関する一般的な理解を得る。 ○ 関税譲許拘束の基本原則について理解する。 ○ その他の関税関連規制の概要と,それらが関税譲許拘束との関係で有する機能を理解する。
4. 《前半》数量制限の一般的禁止 〔授業内容〕 数量制限の一般的禁止と例外/農業・繊維分野における残存輸入制限の撤廃/ 〔到達目標〕 ○ 数量制限の一般的禁止原則の中心規定であるGATT11条を判例を踏まえて理解する。 《後半》一般最恵国待遇(MFN)原則および無差別原則(１) 〔授業内容〕 歴史的に見たMFN原則の定義と意義およびその変化/GATT１条の解釈/「同種の産品」概念/無条件性/MFN供与の範囲/MFN原則の例外(FTA・EPA,一般特恵制度)/数量制限の無差別適用(GATT13条) 〔到達目標〕 ○ GATT1条の解釈を先例を踏まえて理解し,そこに投影されるMFN原則の概要を理解する。
5. 《前半》一般最恵国待遇(MFN)原則および無差別原則(２) 〔授業内容〕 〔到達目標〕 前回後半を参照 《後半》内国民待遇(１) 〔授業内容〕 内国民待遇の定義・意義/内国民待遇供与の範囲/内国税の無差別(GATT３条２項),特に「同種の産品」概念,直接競争・代替可能産品概念,および国産品保護要件/内国規制の無差別(GATT３条４項),特に「同種の産品」概念および国産品保護要件/政府調達協定 〔到達目標〕 ○ GATT3条の解釈につき判例の展開と解釈の変遷を跡づけ,WTO協定下で保障される加盟国の規制主権の外延およびその拡大の潮流を理解する。
6. 内国民待遇(２) 〔授業内容〕 〔到達目標〕 前回後半を参照。
7. 一般的例外 〔授業内容〕 「貿易と環境」問題ほか非貿易的関心事項とWTO/GATT20条b,d,gの各号の概要と解釈,特に必要性要件(b,d),濫用防止要件(柱書)の解釈/安全保障と通商規制(GATT21条) 〔到達目標〕 ○ WTO協定が直面する非貿易的関心事項に関する問題の広がりを理解する。 ○ GATT20条の解釈につき判例の展開と解釈の変遷を跡づけ,加盟国の規制主権の外延およびその拡大の潮流を理解する。また,そこに内在する主要な自由貿易と非貿易的関心事項の利益衡量のメカニズムを理解する。 ○ 安全保障と貿易の関係およびWTO例外規定の概要を理解する。
8. 非関税障壁の規制(１) 〔授業内容〕 投資関連の貿易措置に対する規律(TRIMS協定)/検疫・食品安全確保の措置に関する規律(SPS協定)/貿易障壁としての製品規格・基準に対する規律(TBT協定)/その他非関税障壁に関する規定 〔到達目標〕 ○ SPS協定,TBT協定の解釈を通じて,消費者保護,食品安全等を含む正当な主権的関心事項と自由貿易の政策目標の利益衡量のプロセスを理解する。 ○ その他個別分野での非関税障壁規制の仕組みについて理解する。
9. 非関税障壁の規制(２) 〔授業内容〕 〔到達目標〕 前回を参照。
10. 紛争解決手続(１) 〔授業内容〕 GATT23条/無効化・侵害の概念/WTO紛争解決了解(DSU)の概要/パネル・上級委員会の審理手続/勧告の履行と救済/パネルの審査基準/適用法規/一般国際法の適用/協定解釈の原則 〔到達目標〕 ○ WTOにおける国家間紛争解決手続の概略を理解する。 ○ パネル・上級委員会の準司法機関としての機能と役割を理解する。 ○ 特に条約法条約に準拠したWTO協定の解釈手法を理解する。 ○ WTO法の中における一般国際法の役割と位置づけを理解する。
11. 紛争解決手続(２) 〔授業内容〕 〔到達目標〕 前回を参照。
12. 貿易救済法(１) 〔授業内容〕 ダンピング:ダンピング規制の意義/ダンピングマージンの算出/損害要件と因果関係/救済措置の類型/調査手続と証拠に関する規律/見直し手続 補助金・相殺関税:補助金の定義・類型と規制の態様/WTO紛争解決手続による禁止補助金・相殺可能補助金の規律/相殺関税発動の要件と手続 セーフガード:セーフガードの機能・意義/予見されなかった事情の発展/輸入増加/重大要件と因果関係/セーフガード措置の態様/調査手続 〔到達目標〕 ○ 貿易救済法の制度目的を理解する。 ○ 3つの貿易救済法の制度概要と発動要件・手続を的確に理解する。 ○ 3つの貿易救済法の差異を理解する。
13. 貿易救済法(２) 〔授業内容〕 〔到達目標〕 前回を参照。
14. 貿易救済法(３) 〔授業内容〕 〔到達目標〕 前々回を参照。