リーガルクリニック*

専門職学位課程法学研究科

LWS51201

コース情報

担当教員: 角田 雄彦

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 土3, 土4

形式: 対面授業

レベル: 700

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

その他

上智大学法科大学院の成績評価基本原則による。授業への参加状況(欠席は減点の評価事由として扱う。)とレポートの内容を総合して評価を決定する。

100%

詳細情報

概要

<授業のスケジュール等> 原則として,隔週土曜日の3,4限目で7日にわたり実施する。具体的な進行スケジュールに関しては,初回授業で学生に告知する。 <授業実施の内容等> 初回は,コーディネーター(角田教授,岩崎講師)及び実務家講師(上智大学・同法科大学院卒業生弁護士)の全員が参加して,(ア)授業の実施方法やレポート作成方法等のガイダンスのほか,(イ)法律相談に必要な心構えや基本的技術,(ウ)相談者との間の守秘義務等の要諦,(エ)民事訴訟その他の多様な裁判外紛争処理手続などについて説明する。 2回目以降は,実務家講師と学生を適宜班分けしながら授業を進め,学生は,①実際の法律相談についての同席体験や,②想定事例に関する模擬相談についての弁護士役としての対応体験,を中心としてリーガルクリニックの実践をする。また,学生は,授業後に,自分の担当した相談内容についてレポートを提出する。 最終回は,全員が参加して,学生との質疑を交えた授業全体のまとめを行う。 なお,新型コロナウイルス感染症の拡大状況等に鑑みて,やむを得ず上記①の実際の法律相談の募集及び実施の方式を停止し,上記②の方式を中心に授業を実施することがある。 〈コーディネーターの役割〉 授業開始前には,全体の進行スケジュール,授業方法や教材の選定・作成等について,実務家講師と共同して準備するなど,授業全体につき適切な学修効果が得られるようにコーディネートする。成績評価にあたっては,実務家講師と十分に協議する。 〈実務家講師の役割〉 授業開始前には,個々の進行スケジュール,授業方法や教材の選定・作成について,コーディネーターと共同して準備する。授業を分担して実施し,実際の法律相談にも対応する。成績評価にあたっては,コーディネーターと十分に協議する。 〈アクティブ・ラーニングの内容〉 毎回の授業中には受講生による実演や受講生と教員との対話型ディスカッションを行うとともに,授業後には授業の取扱事案やそれに関連した設例につきレポートの提出を求め,実務家講師が添削をして返還する。

目標

1)法律実務家として法律相談を受けるための法律上の知識や知識の応用力,コミュニケーション能力,相談者の心情理解その他の対応技術等の基礎力を習得すること 2)法律実務家が「国民の社会生活上の医師」(司法制度改革審議会意見書)としての社会的役割を果たすことの意義を理解すること 3)国民その他の受益者にとって,弁護士に対するリーガルアクセスが重要であることを理解すること

授業外の学習

事前に法律相談の概要や分野が判明している場合には,その相談を受けるために必要な法律上の知識等を確認しておく。毎回の授業後に担当教員から指示される課題についてレポートを提出する。 なお,毎回一定程度の予習が必要であり,特に復習には,授業時間と同程度の時間が必要となる。

所要時間: 授業1回あたり,190分の学習時間〔予習復習時間も含め〕を確保し実践すること。

スケジュール

  1. 初回の授業(第1回) (ア)授業の実施方法やレポート作成方法等のガイダンスのほか,(イ)法律相談に必要な心構えや基本的技術,(ウ)相談者との間の守秘義務等の要諦,(エ)民事訴訟その他の多様な裁判外紛争処理手続などについて説明する。 〔到達目標〕 ◯法律相談をするに当たっての心構えや基本的技術を説明することができる。 ◯「法曹倫理」の授業で教示された守秘義務をはじめとする弁護士に課せられた義務の内容を指摘することができる。
  2. 第2回~第7回(前半)の授業(方式その①) 【実際の法律相談についての同席傍聴型授業の実施】 弁護士(実務家講師)が実際の法律相談のために法律相談室を訪れた一般市民の相談者に対して相談を実施する場面を,学生は同席して傍聴する。生きた法律相談を実際に見聞することにより,実体験を通じて,法律実務家が社会で果たしている役割を知るとともに,法が社会で果たしている機能を理解する。また,後述の方式②で学生自身が法律相談に対応する場合の参考とする。 〔到達目標〕 ◯法律相談の意義は何か,市民が法律相談に期待する点は何かなどについて,実際の相談を見聞することを通じて考察をすることができる。 ◯上記弁護士に課せられた各義務を実際の事件を通じて具体的に適用することができる。 ◯相談者や依頼者との信頼関係が重要であることを指摘することができる。 ◯法律実務家が社会のなかで果たしている役割を理解している。 ◯法が実社会で紛争解決等に果たしている役割や機能を説明することができる。 ◯紛争解決手段や紛争解決プロセスの多様性について説明することができる。
  3. 第2回~第7回(前半)の授業(方式その②) 【想定事例に関する模擬相談についての弁護士役としての実践対応型授業の実施】 実務家講師が準備・作成した想定事例に関する模擬相談について,学生が弁護士役となり,相談者(実務家講師)からの相談に実際に対応する。模擬の法律相談に応答することにより,法律相談を受けることの実体験を通じて,法律実務家における法的知識及び対応技術の重要性と,相談業務を通じて相談者の権利・利益を適切に保護することや社会に貢献できることの醍醐味を理解する。 〔到達目標〕 ◯法律実務家として法律相談を受けることの意義と難しさを指摘することができる。 ◯法律実務家の基礎力として法的な幅広い知識と相談への対応技術が必要なことを理解している。 ◯正確な法的知識や法制度の理解が身に付いていなければ,実際の法律実務では活用できないことを自覚している。 ◯紛争解決手段や紛争解決プロセスを選択する判断要素や判断の重要性について説明することができる。
  4. 最終回の授業(第7回の後半) これまでの授業の振り返りをして,その学修成果を確認する。学生がリーガルクリニックの授業全体を通じた疑問,法律実務家の在り方等に関する質問や意見を発表し,全員で質疑や討議を行う。 〔到達目標〕 ◯実際の法律相談を受けた場合に,相談者との対話を通じて法律上事実上の問題点を把握し,解決の筋道を示すことができるような意思疎通能力,分析力,判断力などの基礎を身につけている。 ◯法律実務家が「国民の社会生活上の医師」(司法制度改革審議会意見書)としての社会的役割を果たすことの意義を理解している。 ◯国民その他の受益者にとっての弁護士に対するリーガルアクセスの重要性を理解している。

教科書

独自に準備した教材を用いる。なお,初回授業でガイダンス用の冊子を配布する予定である。

    参考書

    書籍情報はありません。

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