選択演習B(国際環境法)
法学部
LAW77230
コース情報
担当教員: 堀口 健夫
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火5
形式: 対面授業
レベル: 400
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
授業参加
レポート
その他
上記の「レポート」はリサーチペーパーと報告資料を指す。また「授業参加」には出席状況も含まれる。正当な理由のある欠席は勿論認めるが,単位認定の前提として一定の出席数が原則求められる(状況に応じて追加の課題を課す場合もある)。なお無断欠席は厳禁である。欠席の場合,メールで教員に必ず連絡をすること。
詳細情報
概要
本演習は,環境保護分野における国際法(=国際環境法)の特質や論点に関する理解を深め,法的な観点から国際環境問題を考える力を鍛えることを目的とする。越境大気汚染や,漁業資源の管理,地球温暖化の防止等,具体的に扱う問題は私たちの普段の生活にも大きく関わっている。そうした現実の問題にどのように対処していけばよいのか,国際法の観点から粘り強く考える力を養うことが本演習の狙いである。環境問題の解決にとって既存の国際法制度や理論はどこまで有効か,他分野(例:自由貿易・漁業等)の国際法との調整をいかに実現していくか,国内において国際法上の義務の履行をいかに確保していくかといった基本的な問題を,具体的な理論や実践の展開をふまえつつ,参加者と議論しながら考えていきたい。 本演習の最終的な目的は,年度末のリサーチペーパーの作成である。秋学期は,春学期の学習・調査とその成果もふまえたうえで,各自リサーチペーパーの作成に向けてさらに準備をすすめる。具体的には,各環境分野に概ね共通する総論的な問題に関する文献等を主に読み進めるとともに,リサーチペーパーに関する全体作業をそれぞれ適切な時期に行う予定である。 授業の大まかな予定は下記の「授業計画」も参照のこと。なお状況に応じて,授業内容の入替え・変更や,各テーマの時間配分の変更等はありうる。また参加者の希望があれば,訪問調査やゲスト講演等を行う場合もある。授業で扱うテーマを決める際には,参加者の希望にも配慮する。
目標
・特に国際環境法の総論的な問題にさらに取り組むことで,法的な観点から国際環境問題を考えるための力をらに養うこと ・具体的な研究テーマを絞り,調査・検討の結果を各自リサーチペーパーという形でまとめること ・論文の構成の仕方や注の使い方等,ペーパーの作成にあたっての基本事項を習得すること
授業外の学習
春学期と同様,課題とされた文献を予め読んで出席のこと。また授業後も,残された検討事項等を整理・調査するよう心がけること(報告を担当していない回についても,少なくとも各1時間半程度の予習・復習時間を確保するよう努めること)。また秋学期は,リサーチペーパーの作成を各自具体的に進めていく必要がある。 なお課題の分量等は,状況をみながら柔軟に検討する。
所要時間: 予習・復習等併せて190分を目安とする。このうち7~8割以上は,報告やペーパーの執筆準備等の作業が見込まれる。
スケジュール
- イントロダクション 状況に応じて,以下の計画については順番や内容を変更する場合もある。
- 総論的問題の検討(1):国際環境法のルールの形成
- 総論的問題の検討(2):国際環境法の原則
- 総論的問題の検討(3):国際環境法の原則2
- リサーチペーパーに関する作業(1)
- リサーチペーパーに関する作業(2)
- 総論的問題の検討(4):環境条約の国内実施
- 総論的問題の検討(5):条約の遵守促進・確保
- 総論的問題の検討(6):環境損害の賠償
- 総論的問題の検討(7):環境紛争と国際裁判
- 総論的問題の検討(8):その他
- リサーチペーパーに関する作業(3)
- リサーチペーパーに関する作業(4)
- 全体のまとめ
教科書
教科書は特に指定しないが,国際条約集は適宜持参すること。そのほか参考文献等は必要に応じて授業で紹介する。
参考書
The Art and Craft of International Environmental Law
著者: D.Bodansky
出版社: Harvard,2011
国際環境法講義(第2版)
著者: 西井・鶴田編
出版社: 有信堂高文社