選択演習A(法哲学)

法学部

LAW77106

コース情報

担当教員: 奥田 純一郎

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 木5

形式: 対面授業

レベル: 400

アクティブラーニング: なし

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

10%

授業参加

90%

詳細情報

概要

例年,この演習では春学期に法哲学に関する文献を購読し,秋学期に自由報告を行うという形式をとっている。今年度はマーサ・ヌスバウム著『感情と法』を購読する。ヌスバウムはロールズの正義論と正面から向き合い,その抽象性を批判し,ケイパビリティ(潜在能力)アプローチを軸に,共同性や徳に力点を置くアリストテレス的な人間像を踏まえたリベラルな正義を構想する哲学者である。ヌスバウムの法と感情の関係を論ずる著作を講読し,その適正なあり方の検討を試みる。一方で法は感情に流されるものであってはならない,と言われ,他方で人々の感情から乖離した法には存在価値は無い,とも言われる。それは法と道徳の関係という抽象的な問題から死刑制度の当否をめぐる具体的な議論まで,幅広い射程を持つ論点でありうる。 秋学期ではその知識を踏まえて法をめぐる諸問題につき,参加者の関心に従って自由に選択されたテーマにつき考察してもらい,参加者全員で討議する予定。

目標

法哲学上の問題点につき,主体的に思考し,他者と議論し,自己と異なる意見にも耳を傾け,他者とも共有可能な理由を提示して自己の見解を述べる姿勢を身につけること。

授業外の学習

予習:該当回のテーマに関し,文献を読んで疑問点や自己の見解を確立する。 復習:授業中に行われた議論を踏まえ,事前に持っていた自己の見解を深化させる。

所要時間: 予習100分,復習90分程度

スケジュール

  1. ガイダンス及び分担決定。この際に進行予定を決定するので,第1回目に欠席した場合は受講を認めない。
  2. 教科書購読(1)
  3. 教科書購読(2)
  4. 教科書購読(3)
  5. 教科書購読(4)
  6. 教科書購読(5)
  7. 教科書購読(6)
  8. 教科書購読(7)
  9. 中間討論
  10. 教科書購読(8)
  11. 教科書購読(9)
  12. 教科書購読(10)
  13. 教科書購読(11)
  14. 総括討論

教科書

参加を希望する場合は,教科書をなるべく早く入手すること。なお絶版等により入手困難の場合は『法と感情の哲学』を用いる。

  • 感情と法

    著者: マーサ・ヌスバウム

    出版社: 慶應義塾大学出版会 2010

  • 法と感情の哲学

    著者: スーザン・バンディズ

    出版社: 勁草書房

参考書

  • 法哲学

    著者: 瀧川裕英他

    出版社: 有斐閣

  • よくわかる法哲学・法思想

    著者: 深田三徳・濱真一郎(編著)

    出版社: ミネルヴァ書房

  • マーサ・ヌスバウム - 人間性涵養の哲学 (中公選書 17)

    著者: 神島 裕子

    出版社: 中央公論新社 2013

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