基礎演習A(経済法)

法学部

LAW75108

コース情報

担当教員: 楠 茂樹

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 月4

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

40%

授業参加

60%

詳細情報

概要

法学部では3,4年次に履修することの多い経済法,社会法系科目の導入的内容を扱う。大学入学前に身に付けただろう歴史学等の知識や大学入学後に学んだ基本三法との関連を意識しつつ,経済社会における法と政策の基本的知識の修得を目指す。少人数の演習であり受講生に報告を求めることを予定している。

目標

経済社会において法がどのような役割を果たしているのか,を自らの力で考え討議できるようになること。

授業外の学習

少人数制の演習であり,受講者個人の積極的な参加が求められる。そのためには十分な予習が求められる。毎回,授業の最後に次回の授業の予習材料を提供する。

所要時間: 4時間

スケジュール

  1. 全体の見取り図:「経済系」への誘い 新聞記事等を材料に,「社会法・経済法」といわれる法分野の特徴,学習の必要性,有用性を解説する。
  2. 導入1:経済民主主義? 戦後の民主化政策の一環としてとなえられた「経済民主主義」の意味を探る。
  3. 導入2:高校時代の知識が役に立つ(「市場」を理解する) 大学入学前に学習した歴史の知識を活かして社会法・経済法系にアプローチする。
  4. 「経済法」という言葉の追究 第一次世界大戦前後のドイツを源流とする「経済法」という言葉の意味,我が国におけるその変遷を概観する。
  5. 基本三法から経済法の世界へ 経済法と基本三法(憲法,民法,刑法)の関連を明らかにする。
  6. 独占禁止法の全体像 独占禁止法の基礎知識を共有する。
  7. 談合天国・日本? リニア談合事件,大阪市官製談合事件等を通じて談合の構造を理解し,独占禁止法等,日本の談合防止,処罰の法制度と法運用を学ぶ。
  8. 「価格競争」:不当廉売と価格カルテル 「安さ」が市場を破壊するという一見矛盾した経済現象を理解することを通じて,独占禁止法における私的独占規制等の特徴を知る。
  9. 「プラット・フォーマー」に独占禁止法はどう立ち向かう? GAFAと呼ばれるインターネット,コンピューター産業における巨大企業がどのように市場を支配し,どのように独占禁止法が立ち向かうかについて検討する。
  10. 知的財産と独占禁止法 知識の独占を認めることで経済を発展させることを企図した知的財産法と独占を抑制することで経済を発展させることを企図した独占禁止法との交錯状況を検討する。
  11. 経済法と社会法の交錯:ややマニアックな歴史的関心 労働政策と競争政策の交錯を学ぶ。
  12. 経済刑法なる領域 独占禁止法の刑罰規定,特に法人処罰のあり方について学ぶ。同時に,ゴーン事件で脚光を浴びた会社法上の特別背任罪等も扱う。
  13. 法を政策的に眺めるということ:経済社会と法政策学 「社会法・経済法」系を「法政策」という観点から再検討する(「法と経済学」の導入部分)。
  14. 事実と向き合うということ:経済理論,統計的手法の有用性 「社会法・経済法」系における「法と経済学」の見地からの検討を行う。

教科書

毎回レジュメを配布します。事前に指定した資料は予習の対象であるので目を通しておくこと。受講生に報告を求める場合には,必要な資料を用意すること。

    参考書

    書籍情報はありません。

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