憲法訴訟

法学部

LAW68500

コース情報

担当教員: 阿部 和文

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 水2

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

定期試験

定期試験期間中

100%

詳細情報

概要

裁判は,憲法上の権利・原則を実現するための重要な方途です。この授業では,裁判において憲法問題を争う際にどのような条件が課されているのか,どのような手法で違憲審査が行われるのか,憲法判断にはどのような形態があるのか,違憲判断にはどのような効果があるのか,などの問題を,判例および学説を手掛かりとして取り扱います。 授業は,講義の形式により行います。 (なお,下記の講義スケジュールは,授業の進行状況に応じて一部変更される可能性があります。)

目標

この授業では,憲法訴訟の一連の考え方・仕組みを理解し,今後新たな憲法問題が生じた際に当事者として裁判で争う方法,および裁判所としてあるべき判断のありかた,を自分で考えるための基礎知識を身につけることが目標となります。

授業外の学習

予習としては,事前に配布するレジュメを参照しつつ,その回で扱われる憲法訴訟上の原則,それをめぐる学説・判例の状況について,大づかみに理解すること,また分からない点があれば,具体的にどの用語・問題のどの部分が分からないのかを明確にしておくこと,が求められます。 復習としては,その回で取り扱った用語・問題について自力で説明ができるように知識・考え方の定着を図ること,が求められます。

所要時間: 200分

スケジュール

  1. 序論(統治機構における違憲審査制,違憲審査機関の諸類型等)
  2. 司法権の概念,司法権の限界①
  3. 司法権の限界②
  4. 違憲審査制の類型,違憲審査と訴訟類型
  5. 違憲審査の対象
  6. 憲法判断・違憲判断の回避
  7. 違憲審査の手法①(法令審査・適用審査,比較衡量論)
  8. 違憲審査の手法②(審査基準論)
  9. 違憲審査の手法③(三段階審査論)
  10. 違憲審査の手法④(立法裁量とその統制)
  11. 違憲判決の類型と効果,第三者の権利に関する主張
  12. 個別の判決に関する検討①
  13. 個別の判決に関する検討②
  14. 個別の判決に関する検討③

教科書

昨年度は教科書を指定しませんでしたが,履修者の便宜のため,今年度は戸松秀典『プレップ憲法訴訟』を指定しました。同書の組み立てと授業の組み立ては,必ずしも一致しませんが,授業の理解に資するものと考えています。

  • 憲法判例百選I・II[第7版]

    著者: 長谷部恭男・石川健治・宍戸常寿[編]

    出版社: 有斐閣,2019年

  • プレップ憲法訴訟

    著者: 戸松秀典

    出版社: 弘文堂,2011年

参考書

参考文献は,授業全体に関わるものとして,以下のものを挙げておく。このほか,各回のレジュメで参考文献を紹介する予定です。

  • 体系 憲法訴訟

    著者: 高橋和之

    出版社: 岩波書店,2017年

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