国際関係特殊講義(日中関係の歴史と展望)
法学部
LAW67500
コース情報
担当教員: 楊 志輝
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 月2
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
詳細情報
概要
日中両国のいずれにとっても相手は最も重要な外国の一つである。隣国のアジア大国中国と今後どのような関係をとり結んでいくかは日本にとって大きな問題である。日中関係は,それぞれの国内状況,双方をとりまく国際環境に大きく左右されてきた。1972年の国交正常化以来日中関係は,1970年代の「戦略的友好期」,1980年代から90年代半ばまでの安定期,1995年から2004年までの「構造変容期」という三つの段階を経て,2005年春の「反日デモ」を契機に,現在は第四段階,関係を再構築しなければならない新段階に入ったと言われている。 本講義は,主として第二次世界大戦後の日中関係の展開を踏まえて,現状を分析し,将来を展望するものである。今日の日中関係が抱えている諸問題,特に歴史問題,台湾問題,領土問題などはどのような経緯をたどってきたのかも,検討の重要な対象となる。
目標
履修者が日中関係の歩みを理解し,様々な視点から日中関係の諸問題を客観的に分析し,日中関係の将来や日本外交の進むべき道について冷静に考えることができるようになることを目指す。
授業外の学習
講義は教科書や映像資料をもとにして進めるが,教科書に登場する関連史料や参考文献は各自MoodleやLOYOLAなどを通じて入手し勉強することが望ましい。講義で取り上げる映像資料や配布資料に関するリアクションペーパー,講義内容に関連する文献資料に関するブックレポートの作成などによって,予習や復習を行い,内容に対する理解を深める。
所要時間: 190分
スケジュール
- 授業ガイダンス
- サンフランシスコ講和と「二つの中国」
- 日本の対中政策と中国の対日基本路線
- 日中民間交流とその役割
- 米中和解と日本
- 日中国交正常化
- 中国の改革開放と円借款
- 歴史問題をめぐるきしみ
- 中国の台頭と日米安保の再定義
- 「戦後は終わった」のか?
- 中国の「憤青」と「対日新思考」
- 日本の新ナショナリズムと中国
- 年の「反日デモ」と日中間の新争点
- 日中関係の新構造と展望
教科書
毛里和子『日中関係 戦後から新時代へ』(岩波書店,2006年)。 必要に応じてレジュメや関連資料を配布する。
日中関係:戦後から新時代へ
著者: 毛里和子
出版社: 岩波書店,2006年
日中漂流:グローバル・パワーはどこへ向かうか
著者: 毛里和子
出版社: 岩波書店,2017年
参考書
これから,中国とどう付き合うか
著者: 宮本雄二
出版社: 日本経済新聞出版,2011年
中国の強国構想―日清戦争後から現代まで
著者: 劉傑
出版社: 筑摩書房,2013年
21世紀の「中華」:習近平中国と東アジア
著者: 川島 真
出版社: 中央公論新社,2016年