ドイツ法 II
法学部
LAW67100
コース情報
担当教員: 松本 尚子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 木4
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
小テスト等
詳細情報
概要
伝統的にはドイツ法の影響が非常に強い日本だが,戦後はアメリカ法の影響が強まっている。どのような法分野や事例でドイツは日本と異なるのか。実体法上の規範のほか,判例を用いて日独を比較する。 受講にさいしては,憲法と民法の基礎知識があることが望ましい。授業は,教科書の指定箇所および事前配布の判例評釈を精読したことを前提に進める。「ドイツ法 Ia」「ドイツ法 Ib」を受講済みであるか,平行して受講すると効果的である。比較法やフランス法,英米法を受講しておくと,さらに理解の幅が広がる。 講義スケジュールは,授業の進み具合によって変更することがある。授業中は毎回受講生の意見を求める機会を設けるので,そのつもりで積極的に授業に臨んでほしい。
目標
ドイツのさまざまな法分野における現代的課題を,具体的な事例に即して把握すること。ドイツの憲法訴訟のしくみを理解し,日本の違憲審査との相違点を認識・評価できるようになること。判例評釈を比較法的視点から分析する技法を身に着けることにより,日本法への客観的な視座を養うこと。
授業外の学習
Moodleに掲載するレジュメや資料(判例評釈など)と,レジュメのなかで指定する教科書の該当部分を授業が始まるまでに精読し,疑問点を明快にしておくこと(これらの作業には概ね毎回2時間程度を要する)。なお,この教科書該当章とレジュメ・資料から出題する⼩テストを,授業時間内に実施する。 復習と課題レポートの練習を兼ねて,課題つきのリアクションペーパーを3回ほど出題する(作成に要する時間はおおむね2時間)。 講義で示した課題について資料を収集してレポートを作成する(同10時間程度)。
所要時間: 190分
スケジュール
- オリエンテーション:ドイツの法制度と社会
- 憲法(1)――連邦憲法裁判所と基本権保護のしくみ
- 憲法(2)――基本権の内容と憲法判例の読み方
- 行政法(1)――選挙法
- 行政法(2)――外国人法
- 行政法(3)――環境法
- 行政法(4)――教育法
- 労働法――労働組合と共同決定
- 刑法――行刑改革とその周辺
- 民法(1)――総則(民法典の成り立ちと構造)
- 民法(2)――債権
- 民法(3)――物権(土地法)
- レポート講評会
- 民法(4)――親族
教科書
下記の教科書を毎回使用する。
ドイツ法入門 改訂第9版
著者: 村上淳一=守矢健一・H.P.マルチュケ
出版社: (外国法入門双書)有斐閣,2018年
参考書
『ドイツの憲法判例 III』
著者: ドイツ憲法判例研究会編
出版社: 信山社・2008年
『ドイツの憲法判例 IV』
著者: ドイツ憲法判例研究会編
出版社: 信山社・2018年
『ドイツ憲法集 第8版』
著者: 高田敏・初宿正典編訳
出版社: 信山社・2020年