法律学特殊講義 III(法思想史)
法学部
LAW65200
コース情報
担当教員: 奥田 純一郎
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 月5
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
定期試験
定期試験期間中
その他
基本的には定期試験のみで評価する。この試験は授業を理解していれば合格点を取れる水準であるが,任意提出のレポートがあれば,試験成績に加点する(ただしレポートのみで単位を取得することはできない)。
詳細情報
概要
現代日本法の背景である,古代ギリシャに始まる西洋法思想の展開を,各時代を代表する哲学者・法学者たちに即して検討する。 過去の遺物として表面的に学説をなぞるのではなく,「法とは何か」「その中核理念としての正義をどう捉えるか」「それらを必要とする人間とは何か」という問いと答えを,その当時の社会や政治状況に照らして認識しつつ,現代における含意と示唆を理解すべく試みたい。従って現在の問題としての法哲学とも連動しており,春学期開講の法哲学とも連動している。出来るだけ本講を先に履修しておくことが理解の便宜上望ましい。
目標
実定法科目で自明視されている法的概念がどのような思想に支えられているのか,それはどのような変遷を経てきたのかを理解し,同時に近時の社会の変容に際し法が如何に変容しうるか・すべきかを考察する。
授業外の学習
予習:指定された教科書の該当部分を熟読する。場合によっては高校の世界史の教科書を通読し,西洋史全体の中での流れを概観する。 復習:講義ノートを踏まえ,批判的に検討すると同時に,興味のある論点につき関連文献を渉猟し,余裕があればレポートにまとめる。
所要時間: 予習100分・復習90分程度
スケジュール
- ガイダンス・序説 講義第1回のガイダンスの際,進行予定表をムードルにて配布予定。なお前回開講時(2021年度)の第1回配布資料を参考までに添付したが,今年度もこれに準じる予定である。
- 古代ギリシャの法思想(1)――神話の中の法・正義
- 古代ギリシャの法思想(2)――ソフィスト・ソクラテス
- 古代ギリシャの法思想(3)――プラトン・アリストテレス
- 自然法論(1)――古代ローマ
- 自然法論(2)――中世キリスト教自然法論
- 自然法論(3)――近代自然法論:自然権と社会契約説
- 功利主義――ヒューム・スミス・ベンサム
- ドイツ観念論の法思想――啓蒙専制君主からカント・ヘーゲルへ
- 分析法学と歴史法学――オースチン・メイン・サヴィニー
- 概念法学から法実証主義へ――イェーリング・自由法論
- プラグマティズムの法思想――ホームズ・リアリズム法学
- 法実証主義v.s.自然法論――ハート,フラー,ケルゼン,ラートブルフ
- 正義論の復権…ロールズ,ドゥオーキン,共同体論etc
教科書
教科書はできるだけ早く入手し,予習に活用すること。
法思想史(第2版)(有斐閣双書Sシリーズ)
著者: 田中成明・竹下賢・深田三徳・亀本洋・平野仁彦
出版社: 有斐閣・1997年
参考書
法思想史(新版)
著者: 三島淑臣
出版社: 青林書院・1993年