環境社会学

法学部

LAW63700

コース情報

担当教員: 野田 岳仁

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火4

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

10%

授業内期末試験

授業期間中

90%

詳細情報

概要

本講義は,環境問題を環境社会学の視点から考えることを目的とする。環境社会学は,環境問題を引き起こす"人間"や"社会"に注目して,環境問題を分析する学問領域である。したがって,環境問題を分析する際には,現場に暮らす人びとの立場に立って考えることを重視してきた。本講義では,現場に暮らす人びとの価値観や地域社会の論理を把握しながら,現場の人たちが受容可能な政策論を検討していく。 環境社会学の理論や分析方法は環境問題だけでなく,まちづくりや観光といった環境の創造にかかわる分野や災害・復興の領域でも有効性を発揮している。それゆえ本講義では,地域社会が抱えるさまざまな課題(環境問題・まちづくり・観光・災害)についてのケーススタディを扱っていく。受講生には,常識にとらわれずに現場に暮らす人びとの立場に立って問題の本質を見極め,問題解決と有効性のある政策論を考えることを求める。

目標

環境社会学の基本的な考え方,分析方法についてマスターすること。とりわけ,生活環境主義の理論について十分に理解し,その応用ができること。本講義では,環境問題やまちづくりについて,現場に暮らす人びとの立場を理解したうえで,自らの考えを説明できることを目指す。

授業外の学習

各回の振り返りは不可欠となる。毎回配布するレジュメには参考文献を記載しておくので必要に応じて参照すること。

所要時間: 本講義の予習・復習時間は各2時間を標準とする。

スケジュール

  1. 環境社会学の基本的視座 ー生活環境主義とはー
  2. 地域社会を理解する視点① ーむらの暮らしと生活文化ー
  3. 地域社会を理解する視点② ー平凡教育と社会的親ー
  4. 井戸端から考える環境保全とまちづくり ー所有意識と社会的権利ー
  5. 環境保全運動と地域社会 ーなぜ自然保護はうまくいかないのかー
  6. 地域コミュニティとNGO・NPO ー誰がしっかりすれば環境は守られるのかー
  7. 自然災害と災害文化 ーなぜ人びとは雪崩が予測できると語るのかー
  8. 原発災害とコミュニティ ー被災者にとっての”被害”とはー
  9. 魅力ある景観形成とまちづくり ー歴史的環境保全の運動ー
  10. 環境と観光はどのように両立されるのか ーローカル・ルールを守る観光まちづくりー
  11. 地域資源は誰がどのように守ればよいのか ーコモンズと地域資源管理ー
  12. 都市の環境とまちづくり ー水のまち"銀座"のローカル・ルールー
  13. 環境社会学の理論と実践 ー環境社会学の実践性ー
  14. まとめと期末試験 ー本講義の知見と有効性の確認ー

教科書

教科書は指定せず毎回資料を配布する。参考書を適宜参照し,理解を深めておくことが望ましい。

    参考書

    • 環境社会学の考え方―暮らしをみつめる12の視点

      著者: 足立重和・金菱清編

      出版社: 2019年・ミネルヴァ書房

    • 井戸端からはじまる地域再生―暮らしから考える防災と観光

      著者: 野田岳仁

      出版社: 2023年・筑波書房

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