国際環境法

法学部

LAW63400

コース情報

担当教員: 堀口 健夫

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 月3

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

レポート

10%

定期試験

定期試験期間中

90%

その他

期末試験のほか,小レポート(1回)の提出を認める。これらの点については,初回で詳しく説明する。

0%

詳細情報

概要

本授業では,国際法の一分野である国際環境法を講義する。地球温暖化,越境大気汚染,生物多様性保全,海洋汚染等,今日我々が直面している環境問題は国際的な対処を必要としている場合が少なくなく,国際法のルール・制度が発展してきている。この授業は,こうした環境保護に関わる国際法をできるだけ体系的に講義することを目的としており,法的な観点から国際的な環境問題を把握する能力を養成するとともに,問題解決に向けて自らの頭で考えていくための手掛かりを提供したいと考えている。 講義内容は,国際環境法の形成・実施に関わる基本構造を扱う第1部と,個別の環境問題に関する具体的な法制度の発展を扱う第2部から構成される。より具体的には下記授業計画を参照してほしいが,講義の内容や順序については若干変更する場合もある。 なお国際環境法も国際法の一分野である以上,少なくとも国際法総論・各論の授業を履修済であるか,並行して学習・履修していることがのぞましい(その方がおそらく効率よく学べる)。また,そうした内容であるため,特に1年生の履修はお勧めしない(例年数人の受講者がいるが,平均してあまり良い成績をとれていない)。 授業は事前に配布するレジュメを使って進める。レジュメは各授業の前にロヨラの授業掲示板にアップするので,授業中に手元で参照できるようにしておくこと。また,以下の「テキスト1」に挙げる国際条約集(有斐閣)も参照することが多いので,こちらも必ず持参してほしい。 なおこの授業は講義形式で行うが,時間に余裕のある時には,議論の時間を設定することも検討する。

目標

国際環境法の構造や具体的制度,そしてそこに含まれる諸論点を理解し,国際的な環境問題について法的な観点から考察する力を養うこと。

授業外の学習

授業では事前にレジュメを配布する(ロヨラに定期的にアップする予定)。各レジュメの最後には,当該レジュメに関する復習課題と,次のレジュメの内容にかかわる予習課題を記載しておくので,予習復習に役立ててほしい。また,授業では様々な資料や条文を参照するが,授業中はあまり時間がとれないこともあるため,適宜授業後に改めて確認しておくこと。

所要時間: 予習・復習等あわせて190分を目安とする

スケジュール

  1. ・イントロダクション(初回時):授業の目的や背景にある問題状況等を説明する。また授業の進め方についても併せて説明する。なお以下の授業計画のテーマの時間数や順序については,場合により調整・変更する場合がある。
  2. ・国際環境法の基本的な機能とその発展史 ・一般国際法の意義と限界:越境汚染問題を手がかりに(1)
  3. ・一般国際法の意義と限界:越境汚染問題を手がかりに(2)
  4. ・多数国間環境条約の下での規制プロセスの展開(1):国際規範の形成/国内実施
  5. ・多数国間環境条約の下での規制プロセスの展開(2):履行確保 ・国際環境法の基本原則
  6. ・個別環境分野①:生物・生息地の保護(1)全体像/ワシントン条約
  7. ・個別環境分野①:生物・生息地の保護(2)ラムサール条約/世界遺産条約
  8. ・個別環境分野①:生物・生息地の保護(3)生物多様性条約
  9. ・個別環境分野②:海洋生物資源の保存・海洋生態系保護(1)全体像/国連海洋法条約/国際捕鯨取締条約など
  10. ・個別環境分野②:海洋生物資源の保存・海洋生態系保護(2)海洋保護区/IUU漁業規制など
  11. ・個別環境分野③:海洋汚染の防止(1)全体像/国連海洋法条約/陸上起因海洋汚染/海洋投棄
  12. ・個別環境分野③:海洋汚染の防止(2)船舶起因海洋汚染
  13. ・個別環境分野④:大気・宇宙の保護(1)全体像/オゾン層の保護
  14. ・個別環境分野④:大気・宇宙の保護(2)スペースデブリの規制

教科書

教科書は特に指定しないが,以下の国際条約集は手元に準備すること。

  • 国際条約集

    出版社: 有斐閣

参考書

  • 国際環境法の基本原則

    著者: 松井芳郎

    出版社: 東信堂

  • 国際環境法講義

    著者: 西井,鶴田

    出版社: 有信堂高文社,2020年

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