国際政治学*
法学部
LAW62400
コース情報
担当教員: 岡部 みどり
単位数: 4
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 月6, 木6
形式: オンデマンド授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
小テスト等
その他
原則として毎回の出席(動画視聴及び小テスト,リアクション・ペーパー等)を前提条件とする。受講生は,最終回終了後にレポート型試験を受験する必要がある(これを提出しない学生は,事前の小テストやリアクション・ペーパーの提出があっても単位取得はできないので注意すること)。また,レポート型試験に剽窃行為があった場合はそれまでの出席状況の如何を問わず成績は不可となる。
詳細情報
概要
ロシアによるウクライナ侵攻,イスラエル/パレスチナ情勢,米中覇権対立に起因する国際構造の変容,欧米主要国での政権交代とポピュリズムの台頭,領土紛争及び海洋法上の問題,難民問題,テロリズム,破綻国家,世界の格差と貧困救済システムの限界など,現代国際社会は多様な難題に直面している。 本講義では,このような現代国際社会の有り様をより良く理解するためのツールとして,国際関係の諸理論を紹介する。本講義はこのほか,特にヨーロッパとアジア(日本)の接近を取り上げることで,戦後のリベラル国際秩序の持続性を検討する。
目標
学生は,本講義を通じて, ・国家間の紛争はなぜ起こるのか ・恒久的で有効な国際協力枠組みがなぜ生まれないのか ・紛争解決のために有効な手段は何か ・世界の国々の発展はなぜ一様ではないのか ・ヨーロッパや米国などリベラル民主主義国はどのような国際秩序を維持しようとしているのか ・現代国際社会が抱える問題はどのような意味で「現代的」なのか という諸々の問いに対し,理論的見地に基づく建設的な批判や検討を行う能力を高めることが期待される。
授業外の学習
指定する教科書を事前(あるいは事後)に学習することはもちろん,国際関係に関する国内外のニュース・ソース(日本語の新聞,英字新聞,テレビ等での報道など)に触れる機会を増やすことが望まれる。教科書は図書館にリザーブ・ブックとして配架されている。また,新聞やテレビのニュースなどに触れる際も,図書館を大いに活用されたい。
所要時間: 190分
スケジュール
- 講義についての説明
- イントロダクション–現代国際社会の問題をどう読み解くか
- PART 1: 国際関係概論:国際社会の構造と変化(1):近代主権国家体系
- 国際社会の構造変化(2):国際社会の階層構造と多段階発展
- 平和と安全保障(1):紛争の歴史(古代,中世)
- 平和と安全保障(2):紛争の歴史(近代,現代)
- 平和と安全保障(3):紛争の歴史(現代)
- 国際政治の理論(1): 黎明期
- 国際政治の理論(2): 発展期(体系化の過程)
- 国際政治の理論(3): 冷戦後の展開
- 国際政治の理論(4): 国際的相互依存
- 国際政治の理論(5): ポスト冷戦期の諸理論
- 人の移動と国際関係(1): 紛争と難民
- 人の移動と国際関係(2): WW2後の難民問題
- 人の移動と国際関係(3): 強制移住問題
- 人の移動と国際関係(4): グローバル・マイグレーション・ガバナンス
- PART 1 総括
- PART 2: ヨーロッパの国際関係と現代世界: 地域統合とは何か
- 欧州統合の歴史(1):理念の誕生から制度成立初期まで
- 欧州統合の歴史(2):単一欧州市場の成立まで
- 欧州統合の歴史 (3):政治連合の誕生
- 欧州統合の歴史 (4):リスボン条約による「転生」
- EUの制度/政策
- EUの拡大(1)
- EUと世界(2):近隣諸国政策
- EUと世界(3):国際構造変動とEU
- PART 2 総括: 国内政治とEU政治の交錯を中心に
- 全体総括
教科書
テキスト,参考書のほか,必要に応じて参考文献を講義中に紹介する。なお,テキスト,参考書は学内紀伊國屋書店オンラインシステム(MyKiTS)で購入可能である。
国際紛争-理論と歴史(原書第10版)
著者: ジョセフ・ナイ他
出版社: 有斐閣・2017年
現代ヨーロッパの国際政治:冷戦後の軌跡と新たな挑戦
著者: 広瀬佳一・小久保康之編
出版社: 法律文化社,2023年
参考書
世界変動と脱EU/超EUーポスト・コロナ,米中覇権競争下の国際関係
著者: 岡部みどり 編
出版社: 日本経済評論社,2022年
ヨーロッパ・デモクラシーの論点
著者: 伊藤武,網谷龍介 編
出版社: ナカニシヤ出版,2021年
自由主義的国際秩序は崩壊するのか:危機の原因と再生の条件
著者: 納家政嗣,上智大学国際関係研究所編
出版社: 勁草書房,2021年