法医学
法学部
LAW62200
コース情報
担当教員: 黒崎 久仁彦
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 水4
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
定期試験
定期試験期間中
その他
1)対面授業回数の3分の2以上(14回のうち10回以上)出席できない者は,原則として評価の対象外とする。 2)初回の授業日に配布する所定の誓約書を提出しない者は,評価の対象外とする。
詳細情報
概要
「法医学」とは,医学的解明や助言を必要とする法律上の問題について科学的かつ公正な医学的判断を下すことによって,社会の治安維持,個人の基本的人権の擁護,公共福祉の増進などに寄与する医学である。したがって,法医学の対象は極めて広範囲に渡っており,まさに医学と法学の架け橋となる学問領域として存在している。本講義では,法学部の学生諸君に法医学の何たるかについての理解を深めていただくために,法医学の基礎から各種法医実務への応用に至る幅広いテーマを取り上げ,その紹介および解説を試みる。
目標
犯罪死体の死因究明の探索方法はもとより,法医解剖,死体現象,死因論,損傷論,異状死体,医事法制,薬毒物中毒,個人識別など法医学全般について学ぶ。 1) 現代社会における法医学の重要性について述べることができる。 2) 死体現象について理解し,説明することができる。 3) 死後経過時間の推定方法について列挙し,実際に応用することができる。 4) 窒息機序を列挙し,各々の特徴を述べることができる。 5) 各種損傷を列挙し,各々の特徴と成傷機序を述べることができる。 6) 各種異常環境が人体に及ぼす影響について述べることができる。 7) 各種薬毒物中毒の機序とその死体所見について述べることができる。 8) 個人識別の手段を列挙し,各々の有用性を説明することができる。 9) 異状死体の概念を理解し,説明することができる。
授業外の学習
法医学は実際的な医学領域であり,教科書の知識のみで客観的に理解することは非常に困難である。これまでの受講状況を見ると,できる限り授業に出席し自分の眼で見て耳で聞いた上で,試験前に充分な復習をしていた学生の単位取得は決して難しくないが,手を抜いた学生については,合格はほとんど不可能と考えてよい。授業時間外の学習について具体的なノルマは要求しないが,興味本位ではなく真摯な気持ちで法医学に取り組める学生諸君に受講していただきたい。なお,例年4年生の受講者の不合格者が他の学年に比べて多数となっている。就活による欠席が増えることで試験に対応できないことが原因と考えられるので,4年生の履修希望者は注意すること。
所要時間: 授業1回当たり190分以上
スケジュール
- 授業ガイダンス,法医学概論
- 損傷総論1(損傷の分類)
- 損傷総論2(生活反応,自為損傷と他意損傷)
- 損傷各論1(頭部外傷,胸腹部外傷)
- 損傷各論2(交通事故損傷,銃創)
- 死因論1(窒息死:縊死,絞死,扼死,溺死)
- 死因論2(異常温度による死,感電死)
- 死因論3(内因性急死)
- 死体現象と死後経過時間1
- 死体現象と死後経過時間2
- 検死制度と法医解剖
- 個人識別1(形態学的識別法)
- 個人識別2(DNA鑑定)
- まとめ
教科書
教科書は指定せず必要に応じて資料を配布する。
参考書
下記の参考書のいずれかを推奨する。
「臨床のための法医学」(第6版)
著者: 澤口彰子,黒崎久仁彦 他
出版社: 朝倉書店・2010年
「法医学」(改訂4版)
著者: 福島弘文 他
出版社: 南山堂・2022年
「標準法医学」(第8版)
著者: 池田典昭 他
出版社: 医学書院・2022年