国際取引法総論
法学部
LAW61410
コース情報
担当教員: 森下 哲朗
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金2
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
10%
授業参加
10%
リアクションペーパー
20%
レポート
60%
詳細情報
概要
国際的な売買契約を中心に,国際的な商取引に関する法的問題を,適用法規,主体,契約,規制,紛争処理等,多様な角度から総合的に検討する。国内外の判例,事例問題や実際に使われている契約書等を教材として使用しながら,総合的・分野横断的な検討します。国際取引の現場における英語や英米法等についての基本知識の重要性に鑑み,英語の資料も若干用いる予定です。 民法についての基本的知識を習得していることが望ましいです。 一方的な講義のみではなく,資料に記載された問いや事例等について参加者からの発言を求めながら進めたいと考えています。 教材は,Moodleに今年の国際取引法総論のための頁を開設したうえで,そこにアップします。
目標
①売買取引等代表的な国際取引の仕組みと,民商法・国際私法・国際民事紛争処理・独禁法等の関連する諸分野における国際取引に関する日本法や国際的なルールの内容や考え方などについて,基本的な理解を得ること ②実務的な視点も意識しながら,そうして得た知識を具体的なケースへ当てはめていく能力,実践的な力を養うこと
授業外の学習
資料中の事例や裁判例について予め目を通し,検討のうえ授業に参加することが求められる。
所要時間: 190分
スケジュール
- 第1回:イントロダクション 〔授業内容〕 国際取引法の学び方,国際取引法の全体像,国際的なビジネスにおける法務の態様,国際取引における言語・文化等について扱う。 〔到達目標〕 国際取引法の全体像を理解する。 ビジネス法務における法とのかかわりには対策法務,予防法務,経営法務等があることを理解する。
- 第2回~第4回:国際取引と法・紛争処理 〔授業内容〕 国際取引における適用法規と紛争処理についての全体像を概観した後,国際取引との関係で特に重要な国際私法の問題(総論,契約,不法行為),国際的な紛争処理の方法としての訴訟と仲裁について扱う。 〔到達目標〕 国際的な紛争処理における適用法と紛争処理枠組みの関係について理解する。 日本の国際私法の基本的な枠組みついて理解する。 国際的な民事訴訟や仲裁の基礎を理解する。
- 第5回:国際取引の主体 [授業内容] 国家との契約の特殊性や,国際取引の主体としての企業やパートナーシップ等について扱う。 [到達目標] 国際取引の主体としての国家,法人等に関する法的問題の基本を理解する。
- 第6・7回:国際取引と規制 [授業内容] 国際取引に重要な影響を与える規制とその域外的な適用の問題について学ぶ。
- 第8回:国際的な契約法ルール [授業内容] 英米契約法と日本法,CISG,UNIDROIT原則など,国際的な契約に適用される主な契約法ルールについての状況を概観する。 〔到達目標〕 国際取引に適用される主な契約法の違いについて理解する。
- 第9回:国際的な契約の成立プロセスと解釈 [授業内容] 国際的な契約の成立・解釈に関する問題や,Letter of Intent等について学ぶ。 [到達目標] 契約の成立や解釈に関してどのような法的問題があるか,また,Letter of Intentの意義や機能について理解する。
- 第10・11回:国際的な売買取引の仕組み 〔授業内容〕 国際売買取引における運送(海上運送)や決済(送金,荷為替手形,信用状)について学ぶ 〔到達目標〕 国際売買取引における運送や決済の仕組み,そこでの法的問題の基礎を理解する。
- 第12回~第14 国際売買契約 〔授業内容〕 国際的な売買契約における主要な問題として,契約不適合,救済,不可抗力について学ぶ。 〔到達目標〕 契約不適合,救済,不可抗力に関する主要な国際契約法ルールの内容を理解する。
教科書
特に指定しません
参考書
国際企業法務のエッセンス
著者: 森下・平野・森口・山本
出版社: 有斐閣・2017