政治学*

法学部

LAW60200

コース情報

担当教員: 加藤 浩三

単位数: 4

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火2, 金2

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

授業参加

10%

定期試験

定期試験期間中

90%

その他

授業参加はアクティブラーニング (Think Pair Share) 形式である。与えられたテーマについて一人で考えて,ペアで共有し,さらに全体で共有する。 その他,授業内容に関する質問,コメント,アクティブラーニングを捕捉する意見などをmoodleへ書き込む,または授業中の発言などは適宜加点する。 学期末試験出題内容は,講義の基本的内容を問う問題と最近の重要な政治的問題を解説する問題から構成される。論述問題については講義の最終回に練習問題を配布し試験ではその中から同じまたは類似した問題が出題される。また主要日刊新聞のうち最低一紙に毎日目を通すこと。

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詳細情報

概要

本講義は,学部2年生以上を対象に,様々な社会現象を「政治学的な見方」で理解することをその主要な目的とする。一般的には必ずしも政治問題とは考えられていない問題,たとえば通貨危機なども,「政治学的」に分析することを試みることで,社会科学の一つの領域である政治学の分析枠組みが,法学,経済学,社会学など他の学問分野といかなる点で異なるのか考えてみたい。講義では,具体的事例を多く取り込みつつ,国家,力,利益(インタレスト),制度など政治学の主要な概念を手がかりにしながら,複雑な社会現象を体系的に理解するための分析枠組み提示してゆきたい。 本講義の特徴として,特定の理論や事象を個別かつ独立的に理解することに主眼を置かず,全体論的(holistic),折衷論的(eclectic)な政治学を理解してもらうことを目指す。受講生には様々な理論的枠組みを創造的に組み合わせ,既存の理論では十分に説明できない社会事象を理解しようとする知的好奇心を涵養してもらいたい。 本講義に加え,受講者は法学部,総合グローバル学部,国際教養学部などが開設している関連科目なども合わせて履修し,さらに理解を深めて欲しい。 また,原則として1年生の受講は認めない。特別な理由があり強く受講を希望するものは,その理由を明記したメールを教員に送付し許可を得ること。

目標

受講者は,講義全体を通じ,それぞれの関心のあるテーマを学習するにあたり,政治学の分析枠組みが,どのように有効であるか,またどのような点でその修正が求められているか,各自の考え方をまとめられるレベルに達することが期待される。より具体的には, (1)主要政治概念の基礎知識を習得する。 (2)「世の中は○○であるべき」という規範的議論を超えて,「なぜ現実は○○であるのか」という問題解決型の発想方法を学ぶ。

授業外の学習

授業前の予習にて講義レジュメの概観をつかみ,講義後の復習で詳細を理解する。 また講義の理論的理解を深め現実的諸問題に対する応用力を会得するために,講義項目(セクション)毎に課題文献を指定している。1回の授業の読書量は多少のばらつきはあるが平均しておよそ50ページで,各自自習すること。期末試験の解答には,課題文献の内容について言及することが望ましい。

所要時間: 200分

スケジュール

  1. オリエンテーション-本講義のねらい
  2. 「政治学的なものの見方」とは何か?
  3. 自由主義(1)-経済的なリベラリズム
  4. 自由主義(2)-経済的なリベラリズム
  5. 現実主義(1)ー国家,パワー,国際システム
  6. 現実主義(2)ー国家,パワー,国際システム
  7. マルクス主義ー階級,従属,世界システム
  8. 制度主義Ⅰ(1)-多様な資本主義・国際協力
  9. 制度主義Ⅰ(2)-多様な資本主義・国際協力
  10. 制度主義Ⅱ-理論的分析
  11. 構成主義(1)ー文化,規範,アイデンティティ
  12. 構成主義(2)ー文化,規範,アイデンティティ
  13. 貿易・投資問題
  14. 通貨問題
  15. グローバリズム
  16. 地域主義-EUの経験
  17. アジア地域主義Ⅰ-歴史的文脈
  18. アジア地域主義 II(1)-東アジア共同体へ?
  19. アジア地域主義 II(2)-東アジア共同体へ?
  20. ナショナリズム(1)
  21. ナショナリズム(2)
  22. *視聴覚教材を使った授業
  23. 議院内閣制と大統領制
  24. 政党と選挙(1)
  25. 政党と選挙(2)
  26. 財政投融資と公共政策
  27. 民主主義
  28. 総括と期末試験の解説

教科書

講義を中心とし,とくに教科書は指定しない。授業は,教員の用意する講義ノート(レジュメ)に沿って進めて行く。学生は,授業に出席する前に,moodle(使い方については,上智大学情報システム室HPのマニュアルを参照すること)より当該授業の「レジュメ」及び「授業資料」を印刷して持参すること。 またmoodle には質問を書き込める項目を各授業ごとに用意しているので,大教室での一方通行の講義にならないように積極的に活用して欲しい(適宜加点)。

    参考書

    講義の理解を深め現実的諸問題に対する応用力を会得するために,講義項目(セクション)毎に課題文献をmoodleにアップロードしているので,各自プリントアウトするなどして準備をしてくること。特に期末試験の解答には,課題文献の内容について言及することが必須である。1回の授業の読書量は,多少のばらつきはあるがおよそ50ページで,理論文献と雑誌文献を組み合わせている。 ただし以下の概説書は多用するのでmoodleにはアップロードしていない。学生は図書館の24時間リザーブを利用するか,キャンパスストアーに参考書として販売依頼するので各自購入するのが望ましい。

    • 『政治学』(補訂版)

      著者: 久米郁男・川出良枝・古城佳子・田中愛治・真淵勝

      出版社: 有斐閣,2011年

    • 『国際政治経済』

      著者: 飯田敬輔

      出版社: 東京大学出版会,2007年

    • 『日本の統治構造-官僚内閣制から議院内閣制へ』

      著者: 飯尾潤

      出版社: 中公新書,2007年

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