刑事訴訟法*

法学部

LAW51600

コース情報

担当教員: 岩下 雅充

単位数: 4

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 水2, 金2

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

レポート

30%

定期試験

定期試験期間中

70%

詳細情報

概要

刑事訴訟法(刑事手続法)における重要な概念および基本の論点について,つねに刑事手続の全体に目を配りながら説明することで,また,刑事手続の実際や重要な判例・裁判例をとり上げながら具体的に検討することで,刑事訴訟法(刑事手続法)の基礎と展開にかかる学びを提供する。 この授業の内容は,法曹を志望する学生,または,法曹の職域で論じられるような高度な法の解釈・適用にかかる学びを求める学生に向けて,刑事訴訟法(刑事手続法)に関する多くの知識・考え方を修得するために用意されている。それゆえ,講義においては,判例・学説の内容に立ち入った解説がおこなわれるのとともに,いずれの受講者も刑法(刑事実体法)の素養を身につけたうえで受講しているという前提のもとに説明がなされる。

目標

この授業の目標は,刑事手続の全体像と意義を正しく把握するのとともに,刑事訴訟法(刑事手続法)に関する知識・考え方の要点を十分に会得して,法の観点から見いだされる具体的な問題の解決に向けた法の解釈・適用を基本のレベルでマスターするというところにある。 このような能力の獲得に向けて,問題の所在に的確にアプローチしたうえでその解決の道筋を明らかにするための思考力・分析力の涵養が目指される。

授業外の学習

指定の教科書や配付の資料などを(そのつどの指示・予告にしたがって)前もって一覧しておくこと。また,授業ののちに指定の教科書や配付の資料などを見返して,講義の要点などをおさらいすること。とくに法曹を志望する受講者においては,引き合いの判例・裁判例に関する復習を十分におこなうことも求められる。

所要時間: 授業1回あたり190分以上

スケジュール

  1. 【 刑事手続の概観と刑事訴訟法(刑事手続法)の基本原理 】 - 刑事手続のながれ / 刑事手続法の歴史 / 刑事訴訟法の目的および刑事訴訟の構造 など
  2. 【 捜査 : 総説(1) 】 - 捜査の意義 / 捜査に関与する者 / 違法な捜査と法律上の効果 など
  3. 【 捜査 : 総説(2) 】 - 捜査の基本原則(強制処分法定主義・令状主義や捜査比例の原則)
  4. 【 被疑者の身体拘束(1) 】 - 逮捕・勾留 : 総説
  5. 【 被疑者の身体拘束(2) 】 - 逮捕・勾留に関するさまざまな問題
  6. 【 供述証拠の収集 】 - 被疑者の取調べ / 参考人の取調べ / 取調べの録音・録画 など
  7. 【 強制の手段による物的証拠の収集(1) 】 - 捜索・差押え・検証 : 総説
  8. 【 強制の手段による物的証拠の収集(2) 】 - 捜索・差押え・検証に関するさまざまな問題
  9. 【 特種の強制捜査 】 - 強制採尿その他 / 通信傍受(盗聴) など
  10. 【 任意捜査の限界(1) 】 - 任意捜査 : 総説
  11. 【 任意捜査の限界(2) 】 - 各種の任意捜査
  12. 【 捜査の端緒と捜査の終結 】 - 職務質問・所持品検査や検問 / 捜査の終結と起訴後の捜査 など
  13. 【 被疑者の防御 】 - 黙秘権 / 被疑者の弁護に関するさまざまな権利 など
  14. 【 公訴 : 総説(1) 】 - 国家訴追主義・起訴独占主義 / 起訴便宜主義 など
  15. 【 公訴 : 総説(2) 】 - 不当な起訴・不起訴の防止と是正 / 公訴提起の手続 など
  16. 【 公判手続(1) 】 - 公判の基本原則(公開主義・口頭主義・直接主義や迅速な裁判など) - 公判手続に関与する者 / 被告人の地位と権利 など
  17. 【 公判手続(2) 】 - 公判手続の進行 / 裁判員裁判や略式手続など / 公判の準備
  18. 【 公判手続(3) / 救済手続 】 - 証拠調べの手続 / 上訴と再審 など
  19. 【 審判の対象と訴因(1) 】 - 審判の対象に関する考え方 / 訴因の特定 など
  20. 【 審判の対象と訴因(2) 】 - 訴因の変更
  21. 【 公判の裁判 / 裁判の効力 】 - 実体裁判と形式裁判 / 裁判の確定とその効力 など
  22. 【 証拠法 : 総説(1) 】 - 証拠法の意義 / 証拠と証明 / 厳格な証明 / 自由心証主義
  23. 【 証拠法 : 総説(2) 】 - 挙証責任と推定 / 証拠の意義・種類 / 証拠能力 / 証拠の関連性
  24. 【 伝聞証拠(1) 】 - 伝聞法則の意義と根拠 / 伝聞と非伝聞
  25. 【 伝聞証拠(2) 】 - 伝聞例外の意義 / さまざまな伝聞証拠(1)
  26. 【 伝聞証拠(3) 】 - さまざまな伝聞証拠(2)
  27. 【 自白の証拠能力 / 自白の証明力 】 - 自白法則の意義と根拠 / 排除される自白 / 自白の補強証拠 など
  28. 【 証拠の禁止 】 - 違法収集証拠の排除法則 / 権利の侵害と証拠の禁止 など

教科書

《 教科書に関する説明 》 法曹を志望する受講者は1の教科書を,そうでない受講者は2の教科書を,それぞれ,もれなく購入して使用すること。なお,これらのほかに参考となるものを第1回の授業で紹介する。

  • 『リーガルクエスト刑事訴訟法(第2版)』

    著者: 宇藤崇=松田岳士=堀江慎司

    出版社: (有斐閣・2018年)

  • 『プロセス講義刑事訴訟法』

    著者: 亀井源太郎=岩下雅充ほか

    出版社: (信山社・2016年)

参考書

《 参考書に関する説明 》 法曹を志望する受講者は,以下の参考書をもれなく購入すること。なお,このほかに参考となるものを第1回の授業で紹介する。

  • 『刑事訴訟法判例百選(第11版)』

    著者: 大澤裕=川出敏裕編

    出版社: (有斐閣・2024年)《 2024年3月刊行(予定) 》

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