民事訴訟法 I*
法学部
LAW51400
コース情報
担当教員: 安西 明子
単位数: 4
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 月3, 木3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
定期試験
定期試験期間中
その他
講義及びMoodle上の資料等を通じて評価方法や試験準備について適宜説明指示する。 このほか,希望者にはリアクションペーパー,自発的レポート提出の機会を設ける(詳細は講義(Moodle上の資料等)で説明指示する予定)。
詳細情報
概要
この講義では,令和4年に改正された民事訴訟法を中心に,民事の手続法を学習する。お金の貸し借り,家や土地の明渡し,離婚等の具体的な民事の紛争(もめごと)が生じたとき,どのような機関で,どのような手続プロセスを経て話し合っていったらよいのか,できるだけ具体的イメージが持てるように講義したい。民事の訴訟の主役は当事者である(大学,講義の主役は学生である)。裁判官の目から見た判決のための手続としてではなく,利用者となる私たち自身の目線から,その概要を示し,なぜそうなっているのか,どうすればより使いやすくなるか,原告や被告になったつもりで実践的に考えたい。 講義は，下記スケジュールにしたがって(変更などは適宜予告する),一回につき基本問題を一つ取り上げる方式で進める。
目標
民事訴訟法を始めとする民事の紛争調整手続について,その全体像を理解する。 民事訴訟法の条文および民事訴訟の基本的判例・学説を理解し,基本的な事例問題につき論述できるようになる。
授業外の学習
毎回の講義概要(教科書の参照箇所も記載)と自習促進問題をMoodleに掲載するので,各自,理解度に合わせて予習復習すること。 ほかにも,講義(や上記講義概要データ)の中で,講義の進度や自分の勉強の必要にあわせて参照できるように,さまざまな参考書や裁判所のホームページを紹介する。
所要時間: 1 回あたり 190 分以上
スケジュール
- 民事手続の概観 (以下,講義はMoodleを利用して情報・資料を事前告知・配布の上で実施する。授業の進捗状況などにより各テーマの順序,回数は変更することがある。その場合にはMoodleを利用して予告する。)
- 民事紛争とその調整手続 (令和4年民訴法改正概説)
- 訴えの提起1 :訴訟上の請求
- 訴えの提起２:訴状の記載事項 (相手方への住所等の秘匿手続)
- 簡易裁判所の手続等 (支払督促,和解等のIT手続)
- 受訴裁判所:管轄と移送等
- 訴訟当事者,訴訟上の代理人・代表者等
- 訴えの利益１:主体についての正当な利益
- 訴えの利益２:客体についての正当な利益
- 訴えの提起の効果等
- 口頭弁論，審理諸原則
- 当事者の訴訟行為と弁論の実施
- 当事者と裁判所の役割分担
- 証明と不要証事実:裁判上の自白
- 弁論の準備と争点整理 (web会議等による手続ＩＴ化)
- 当事者の立証活動の規律
- 証拠調べ１:主に人証 (web会議等による手続ＩＴ化)
- 証拠調べ2:主に書証 (電磁的記録情報に係る証拠調べ)
- 当事者による訴訟の終了 ーー和解や訴えの取下げ (電子調書等)
- 判決概説:申立事項と判決事項など (電子判決書等)
- 判決効1
- 判決効2
- 判決効3
- ここまでのまとめ,複雑訴訟学習への準備
- 複数請求訴訟
- 多数当事者訴訟１
- 多数当事者訴訟２
- 上訴・再審
教科書
毎回,テキストの参照頁を記載した講義資料をMoodleに掲載する。講義でテキストを参照するので,テキスト１か２いずれか一方の購入を勧める(１か２は下記情報を参考に各自選択してほしい。履修登録後,講義開始直後までにMoodle上で教科書選択等の相談に対応可能)。テキスト1は令和4年改正を反映した最新改訂版(紀伊國屋注文可),判例百選掲載の基本判例をほぼカバーしつつコンパクト。テキスト2は執行・倒産まで初学者にわかりやすい記述,基本事例を使い説明,担当者自身の主張=情熱満載書。
(ストゥディアシリーズ)民事訴訟法 第３版
著者: 安西明子ほか
出版社: 有斐閣2023
(ブリッジブック)民事訴訟法 第３版
著者: 井上治典編 安西ほか
出版社: 信山社2022
参考書
必ずしも購入は必要ないが,図書館で参照するとよい書籍については初回講義で紹介説明する。参考書1は法科大学院進学等を目指す者には必須(法科大学院等でも使用)。参考書２は訴訟についての具体的イメージを得るために有効なので予めここで勧める。
民事訴訟法判例百選・第６版
出版社: 有斐閣2023
アクチュアル・民事の訴訟・補訂版
著者: 福永有利=井上治典
出版社: 有斐閣2016