債権法総論 II(債権譲渡,相殺,多数当事者の債権債務関係)
法学部
LAW50720
コース情報
担当教員: 善塔 章夫
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 金3
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
定期試験
定期試験期間中
その他
*定期試験において指示された事項の不遵守は,成績評価上の減点事由となります。 *教員からの問いかけに対して挙手をして発言するなど積極的に授業に参加し貢献した者については,成績評価上,定期試験において獲得した素点とは別に,若干の加点を行う場合があります (成績評価全体の10%以内)。詳しくは授業の初回に説明します。
詳細情報
概要
この講義では,民法の債権総論のうち相殺,債権譲渡,多数当事者間の債権債務関係などを取り上げます。 民法等の条文を確認しつつ,ひとつひとつの法制度が,どのような場合にどのような結果をもたらすのかについて理解を深めます。その際,判例や学説を踏まえつつ,各法制度が何のために存在しているのか,どのようなはたらきをするのかについて考えます。 授業の進行にあたっては,受講者のなかからボランティアを募りその挙手してくださった受講者との間で質疑応答を行いたいと考えています。詳しくは授業初回に説明します。 この授業は,民法総則Ⅰ・Ⅱおよび債権法各論Ⅰの内容を修得済みであることを前提として進めます。また,債権法各論Ⅱについて同時並行的に履修することが求められます。このほか債権法総論Ⅰ,担保物権法については学習済みであることまたは同時並行的に履修することが推奨されます。
目標
(1) 相殺,債権譲渡,多数当事者間の債権債務関係にかかわるさまざまな法的ルールについてその内容やその制度趣旨を理解する。 (2) 上記領域に属する法制度について,判例や学説の立場を説明できる。 (3) 上記領域に属する法制度にかかわる具体的事例を法的に分析できる。
授業外の学習
予習として,教科書または参考書として掲げた書籍のうち,授業各回の内容に関連する箇所を読んでください。その際,教科書・参考書に掲載されている最高裁判例については,判例百選でその事案と判旨を確認してください。(目安60分) 復習にあたっては,授業で取り扱われた法制度等について,その要件効果,制度趣旨,判例の示した解釈論などを自ら説明することができるか確認してください。うまく説明できない箇所については教科書等に立ち返り,知識の定着と整理を図ってください。(目安130分)
所要時間: 190 分
スケジュール
- 第1回 授業全体のガイダンス,債権者平等の原則と債権の優先的な回収を図るための手法 *以下はあくまでもシラバス作成時点における予定であり,授業全体の進捗状況を踏まえたり学生との質疑応答を通じてその理解度を確認したりすること等を通じて変更することがありうる。
- 相殺1(基本的な要件効果,機能)
- 相殺2(相殺の要件,相殺禁止)
- 相殺3(相殺の充当など)
- 債権譲渡1(債権の譲渡性,債権譲渡の機能,譲渡制限)
- 債権譲渡2(債権譲渡の対抗要件)
- 債権譲渡3(譲渡される債権の債務者の地位)
- 債権譲渡4(将来債権譲渡など)
- 債務引受,契約上の地位の移転
- 多数当事者間の債権債務関係1(分割債権,連帯債権,不可分債権,分割債務,連帯債務,不可分債務)
- 多数当事者間の債権債務関係2(分割債権,連帯債権,不可分債権,分割債務,連帯債務,不可分債務)承前
- 多数当事者間の債権債務関係3(保証債務)
- 多数当事者間の債権債務関係4(保証債務)承前
- 債権総論全体のまとめ
教科書
最新版の六法を手元に用意してください。また,下記判例百選を用意してください。
民法判例百選Ⅱ 債権 第9版
著者: 窪田充見=森田宏樹編
出版社: 有斐閣,2023年
参考書
予習復習に役立てるため,参考書をひとつ手元に置いて適宜参照するようにしてください。日評ベーシックシリーズ(NBS)のものは,学部生の学習するべき水準であると思います。債権法総論Ⅰを履修した方や担保物権法を同時に履修される方はそちらの指定教科書に合わせて内田貴先生のものでも構いません。債権総論についてよりアドバンストな学習を志す方は,中田裕康先生のものを手に取ってもよいと思います。
日評ベーシックシリーズ(NBS)債権総論 第2版
著者: 石田剛=荻野奈緒=齋藤由起
出版社: 日本評論社,2023年
民法Ⅲ 債権総論・担保物権 第4版
著者: 内田貴
出版社: 東京大学出版会,2020年
債権総論 第4版
著者: 中田裕康
出版社: 岩波書店,2020年