物権法
法学部
LAW50500
コース情報
担当教員: 善塔 章夫
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 火2
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
定期試験
定期試験期間中
その他
*定期試験において指示された事項の不遵守は,成績評価上の減点事由となります。 *教員からの問いかけに対して挙手をして発言するなど積極的に授業に参加し貢献した者については,成績評価上,定期試験において獲得した素点とは別に,若干の加点を行う場合があります (成績評価全体の10%以内)。詳しくは授業の初回に説明します。
詳細情報
概要
この講義では,民法のうち物権法とよばれる領域(担保物権を除く)を扱います。学習の対象になるのは,主に所有権をめぐる法ルールです。 具体的には,所有権とはどのような権利か,所有権はどのような場合にあるいはどのようにして移転するか,所有権が移転するときどのような問題が起こりまたその問題はどのように解決されるかなどが基本的な問題となります。所有権の対象となるのは「物」ですが,「物」には不動産と動産があり,それによって法ルールが異なっていますので,動産の問題か不動産の問題かを意識しつつ学びを進めることになります。 このほか,異なる人が所有する複数の物が合わさってひとつの物となる場合の問題,ひとつの物について複数の人が権利を有する場合の問題などを考えることになります。 授業の進行にあたっては,受講者のなかからボランティアを募りその挙手してくださった受講者との間で質疑応答を行いたいと考えています。詳しくは授業初回に説明します。 授業は,民法総則Ⅰ・Ⅱの内容を修得済みであることを前提に行います。また,2年次春学期配当科目であるところの債権法各論Ⅰを同時並行的に学習していることを前提に進めます。
目標
(1) 物権法,所有権法上のさまざまな法的ルールについてその内容やその制度趣旨を理解する。 (2) 上記領域に属する法制度について,判例や学説の立場を説明できる。 (3) 上記領域に属する法制度にかかわる具体的事例を法的に分析できる。
授業外の学習
予習として,教科書または参考書として掲げた書籍のうち,授業各回の内容に関連する箇所を読んでください。その際,教科書・参考書に掲載されている最高裁判例については,判例百選でその事案と判旨を確認してください。(目安60分) 復習にあたっては,授業で取り扱われた法制度等について,その要件効果,制度趣旨,判例の示した解釈論などを自ら説明することができるか確認してください。うまく説明できない箇所については教科書等に立ち返り,知識の定着と整理を図ってください。(目安130分)
所要時間: 190分
スケジュール
- 授業全体のガイダンス,所有権,物権的請求権 *以下はあくまでもシラバス作成時点における予定であり,授業全体の進捗状況を踏まえたり学生との質疑応答を通じてその理解度を確認したりすること等を通じて変更することがありうる。
- 土地所有権,相隣関係
- 占有,所有権の原始取得
- 動産物権変動
- 即時取得
- 不動産物権変動1 不動産登記,対抗問題
- 不動産物権変動2 無制限説,「第三者」
- 不動産物権変動3 解除と登記,取消しと登記
- 不動産物権変動4 相続と登記,取得時効と登記
- 共同所有1
- 共同所有2
- 区分所有
- 添付
- 用益物権
教科書
最新版の六法を手元に用意してください。また,下記判例百選を用意してください。
民法判例百選 I 総則・物権 第9版
著者: 潮見佳男=道垣内弘人編
出版社: 有斐閣,2023年
参考書
物権法のテキストをひとつ用意し,予習復習に役立ててください。ひとつ掲げておきますが,必ずしもこれでなくとも構いません。令和3年民法改正の影響がありますので,改正前のものには気をつけてください。
日評ベーシックシリーズ(NBS)NBS物権法 第3版
著者: 秋山靖浩ら
出版社: 日本評論社,2022年