法哲学*

法学部

LAW50200

コース情報

担当教員: 奥田 純一郎

単位数: 4

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火3, 金2

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

定期試験

定期試験期間中

100%

その他

原則として,期末試験の成績のみで評価する。ただし任意提出のレポートがあれば,その評価を試験の成績に加点する。レポートの評価は最大でも49%に留まるので,これのみで試験を受けずに単位を認定することはない。

0%

詳細情報

概要

この講義では,法の目的としての「正義」の考察(正義論)を中心に,法とは何か(法概念論),法的な思考とはどのようなものか(法学方法論),また現代における諸問題にこうした法的思考がいかに対応する・できるのか(各論的課題)を考察する。 現代においては各人の価値観が多様化し,その共有が困難である。それでも人々が,多様なままで共存することを可能にし,安易な価値相対主義にも,特定の価値の独断的な強制にも,陥らないためにはどうすれば良いか,そのための法・正義とは何か。無前提的・制度論的・規範的に考察する手掛かりを講義において示すので,ともに考えて欲しい。 なおシラバスでは便宜上,正義論と法概念論以下の3者を別項目としているが,前者が後者の前提となるため,時間が不足する場合は後者を前者の中に織り込みながら講義する。 また法律学特殊講義Ⅲ(法思想史)(昨年度秋学期開講。本年度も秋学期に開講予定)を先に受講していることが理解の便宜上望ましいが,受講していない場合は(受講している場合でも,より深く理解するために)各自で予習復習として法思想史・哲学史の本を読んで補充して欲しい。

目標

法的思考や問題意識を涵養する知識を身につけるのみならず,自ら主体的に思考し,現行法体系につき根源的・批判的に考察し,他者に共有可能な理由を以て説明し,他者の意見に耳を傾け応答する姿勢を身につける。

授業外の学習

予習:教科書の当該箇所を読み,その含意を具体的事例に即して考えてみる(所要約100分間)。 復習:講義ノートを読み,そこでふれた問題の他,自身の関心のある問題に当てはめて考える他,批判的にとらえ返してみる(所要約90分間)。

所要時間: 予習・復習併せて190分程度必要。

スケジュール

  1. 講義第1回のガイダンスの際,進行予定表を配布する予定。なお参考までに昨年度第1回配布資料及び過去の定期試験問題を添付したが,今年度もこれに準ずる予定である。
  2. はじめに――法哲学とは何か?
  3. 正義論(1)
  4. 正義論(2)
  5. 正義論(3)
  6. 正義論(4)
  7. 正義論(5)
  8. 正義論(6)
  9. 正義論(7)
  10. 正義論(8)
  11. 正義論(9)
  12. 正義論(10)
  13. 正義論(11)
  14. 正義論(12)
  15. 正義論(13)
  16. 正義論(14)
  17. 正義論(15)
  18. 正義論(16)
  19. 正義論(17)
  20. 正義論(18)
  21. 正義論(19)
  22. 正義論(20)
  23. 正義論から法概念論へ
  24. 法概念論(1)
  25. 法概念論(2)
  26. 法概念論(3)
  27. 法学方法論
  28. 各論的論点

教科書

下記のテキストのうち,もっとも重要なのは『共生の作法』である。まずはこれを入手のこと。

  • 共生の作法――会話としての正義――

    著者: 井上達夫

    出版社: 勁草書房・2021年

  • 他者への自由――公共性の哲学としてのリベラリズム――

    著者: 井上達夫

    出版社: 勁草書房・2021年

  • 法という企て

    著者: 井上達夫

    出版社: 東京大学出版会・2003年

参考書

下記の参考書の他,法科大学院での授業で教科書として用いる井上達夫編『現代法哲学講義(第2版)』を適宜参照することを推奨する。

  • 法哲学(有斐閣アルマ)

    著者: 平野秩夫・亀本洋・服部高宏

    出版社: 有斐閣・2002年

  • 現代法理学

    著者: 田中成明

    出版社: 有斐閣・2011年

  • よくわかる法哲学・法思想 (やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)

    著者: 深田三徳・濱真一郎(編著)

    出版社: ミネルヴァ書房・2007年

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