必修演習A(労働法)

法学部

LAW47120

コース情報

担当教員: 富永 晃一

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 木4

形式: 対面授業

レベル: 400

アクティブラーニング: なし

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

0%

授業参加

70%

レポート

30%

その他

・上記「レポート」には,報告での提出資料(レジュメ,パワーポイントのハンドアウト等)を含む。 ・演習回数の3分の2以上の出席がなければ,単位取得を認めない。

0%

詳細情報

概要

本演習は,演習形式により,労働法(雇用に関係する限りで,社会保障法も含む)上の重要なトピックに関する日本語・外国語文献の講読を行い,基礎的な文献読解力,調査分析力,説得論証力等を涵養することを目的とする。これらはカリキュラム・ポリシー上の「問題の法的解決に資する力」の一端を形成する。 参加者は,学期当初は法学の基本的な事項の復習やケーススタディをする。本演習に2回目の参加となる受講者にとっては,やや眠たくなる可能性が高いが,積極的に指導側に回り無聊をまぎらわせられたい。それ以降,各回,課題文献等を予習の上,報告・輪読し,労働法上の先端的な主題について議論することになる。 学期末に,特定のテーマでのグループワークと発表を求める予定である。

目標

・本演習は,以下の①~③の目標を追求することにより,労働法分野におけるディプロマ・ポリシーの実現,すなわち雇用問題を総合的・多角的に検討する能力,雇用問題の法的な解決に資する提言をする能力,法的な思考枠組を現実の雇用問題に応用する能力の養成を目指すものである。 ①雇用社会で働く上で必要となる労働法の基礎的な知識を習得する。 ②雇用社会の法的問題を認識・発見できるようになる。 ③雇用社会の法的問題を分析し,法的又は法政策的な対処策を提案できるようになる。

授業外の学習

【予習】 配布される課題文献に目を通すとともに,適宜調査を行い,疑問点や見解等を自分の中で明らかにした上で授業を受けることが求められる(所要時間:各回110分程度)。 【復習】自己の問題関心に応じて,学習した内容を自分なりの仮説等に位置付ける。併せて,体系的なテキスト等を読むことにより復習することが望ましい(所要時間:各回80分程度)。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. ※以下はあくまで予定であり,参加者の理解度や関心に応じて柔軟に進度や内容を変更する可能性がある。 「ガイダンス」「法学入門(1)条文の読み方(要件・効果)」 ・内容:演習の進行等についてイントロダクションを行う。 ・目標:演習の進行内容等について知る。条文の基本的な読み方を確認する。
  2. 「法学入門(2)判例の読み方(一般論・適用判断)」 ・内容:簡単な裁判例を例に,どのように判決文を読んでいくかを確認する。また,2回目の参加者は自分の問題関心に沿った研究課題について報告する。 ・目標:裁判例に慣れる。また,初回参加者は研究報告のイメージをつかむ。
  3. 「法学入門(3)判例の読み方(要件と考慮要素)」 ・目標:判例と裁判例(三菱重工長崎造船所事件等)を講読・分析し,労働時間の判断枠組みと適用(判例の判断の相場I)について説明できるようになる。
  4. 「法学入門(4)レポート作成のたたき台:「労働時間」 ・目標:前回の事例をもとに,簡単な骨子やレポートをまとめる練習を行い,自分なりに求められた課題についての回答が作成できるようになる。
  5. 「ケース分析Ⅰ(1)(仮)競業避止義務・秘密保持義務(1)法規制,裁判例の概要」 ・目標:身近なケースでの紛争(ここでは競業避止義務・秘密保持義務に関する特約等)を取り上げ,それについての労働法規制の内容,具体的な(裁判での)判断の帰結について,独力あるいは共同で調べることができるようになる。
  6. 「ケース分析Ⅰ(2)(仮)競業避止義務・秘密保持義務(2)裁判例の傾向からの帰納」 ・目標:前回の検討を進めて,具体的な(裁判での)判断の帰結について,自分なりに検討し,判断モデルの定式化を行うことができるようになる。
  7. 「ケース分析Ⅰ(3)(仮)競業避止義務・秘密保持義務(3)文献の講読,検討」 ・目標:前回の検討を進めて,具体的な(裁判での)判断の帰結について,自分なりに定式化を行い,説明したうえでまとめることができることができるようになる。
  8. 「ケース分析Ⅱ(1)(仮)退職金の減額支給・不支給条項(1)法規制,裁判例の概要」(6/16) ・目標:身近なケースでの紛争(ここでは退職金関係のトピックなど)を取り上げ,それについての労働法規制の内容,具体的な(裁判での)判断の帰結について,独力あるいは共同で調べることができるようになる。
  9. 「ケース分析Ⅱ(2)(仮)退職金の減額支給・不支給条項(2)裁判例の傾向からの帰納」(6/23) ・目標:前回の検討を進めて,具体的な(裁判での)判断の帰結について,自分なりに検討し,判断モデルの定式化を行うことができるようになる。
  10. 「ケース分析Ⅱ(3)(仮)退職金の減額支給・不支給条項(3)文献の講読,検討」(6/30) ・目標:前回の検討を進めて,具体的な(裁判での)判断の帰結について,自分なりに定式化を行い,説明したうえでまとめることができることができるようになる。
  11. 「報告課題(1)(仮)任意選択テーマでのグループワーク(1)調査」(7/7) ・目標:グループでテーマ(抽象的テーマでなく,具体的に職場で問題となっているテーマとする)を一つ定め,そのテーマについて法規制,関係裁判例,学説を調査できるようになる。
  12. 「報告課題(2)(仮)任意選択テーマでのグループワーク(2)中間報告」(※補講回に実施) ・目標:前回の調査結果を踏まえて,中間報告を行う(ただし,進行によっては中間報告と最終報告とに分けず実施する)。
  13. 「報告課題(3)(仮)任意選択テーマでのグループワーク(3)最終報告(1)」(7/14) ・目標:前回の調査結果の中間報告での議論を反映させ,最終報告を行う(ただし,進行によっては中間報告と最終報告に分けず実施する)。
  14. 「報告課題(4)(仮)任意選択テーマでのグループワーク(4)最終報告(2)」(7/21) ・目標:前回の調査結果の中間報告での議論を反映させ,最終報告を行う(ただし,進行によっては中間報告と最終報告に分けず実施する)

教科書

課題文献は,相談の上決定する。

    参考書

    参考書等は,必要に応じ指示する。以下には,初学者にも読みやすく,また法的調査・分析のポイントや日本の労働法の問題点がつかみやすい参考書をリストアップした。

    • 若者と労働

      著者: 濱口桂一郎

      出版社: 中公新書,2013

    • 雇用社会の25の疑問 労働法再入門 第3版

      著者: 大内伸哉

      出版社: 弘文堂,2017

    • ケースで学ぶ 実践への法学入門(第2版)

      著者: 富永晃一=丸橋昌太郎=大江裕幸=島村暁代

      出版社: 中央経済社,2022

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