債権法各論 II(事務管理,不当利得,不法行為)
法学部
LAW20300
コース情報
担当教員: 小山 泰史
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 水3
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
定期試験
定期試験期間中
その他
リアクションペーパーの提出はMoodleを使用し,当該授業回の当日での提出を求める。授業内での提出を求める予定はない。また,TAの申請が不採用の場合は,リアクションペーパーの評価の割合を引き下げることがある。
詳細情報
概要
この授業は,事務管理・不当利得・不法行為の基本的な原理・制度・条文などについて解説する。 不法行為の原則を定めた709条は,裁判例の中でもっともよく利用される民法の条文であり,不法行為制度の実際的意義はきわめて大きい。交通事故や傷害事件,公害事件などによる被害者が,どのような場合に,どのような範囲について損害賠償を請求することができるのか,すなわち,不法行為制度の目的・機能・構造についての基本的知識を修得することが到達目標である。 初回の授業で,民法総則Ⅰ・Ⅱ,債権法各論Ⅰの知識確認,講義の進め方・成績評価等を説明するので,必ず初回授業に出席すること。 民法総則Ⅰ・Ⅱ,債権法総論Ⅰ,債権法各論Ⅰの単位を修得済みであることを前提に講義は進められる。
目標
・債権の概念・発生原因,不法行為制度の機能・目的,過失責任・無過失責任・中間責任の考え方について説明することができる。 ・過失についての基本的な考え方,因果関係を説明することができる。 ・名誉毀損,医療過誤等の主要な事件類型における不法行為の要件・効果を説明することができる。 ・損害とは何か,損害の範囲および額の算定方法,損害賠償の請求権者について説明することができる。 ・責任能力の意義,監督義務者の責任,賠償額の調整制度として機能する過失相殺,被害者の素因・損益相殺,不法行為の期間制限について説明することができる。 ・使用者責任の根拠および要件・効果,工作物責任の根拠および要件・効果,共同不法行為責任の意義,要件・効果を説明することができる。 ・事務管理の概要,事務管理と委任との異同(事務管理における権利義務関係)を説明することができる。 ・不当利得の概要・具体例,不当利得の成立要件,不当利得に基づく返還義務の範囲,不法原因給付制度の概要などを説明することができる。
授業外の学習
予習として,教科書として掲げた書籍のうち,授業各回の内容に関連する箇所を読んできて下さい。その際,教科書・参考書に掲載されている最高裁判例については,判例百選でその事案と判旨を確認しておくようにして下さい。 復習にあたっては,授業で取り扱われた法制度等について,その要件効果,制度趣旨,判例の示した解釈論などを説明できるか確認しし,うまく説明できない場合箇所には教科書等に立ち返り,知識の定着と整理を図るように努めて下さい。
所要時間: 190分
スケジュール
- ガイダンス(民法総則Ⅰ・Ⅱ,債権法総論Ⅰ,債権法各論Ⅰの知識確認) 不法行為の基本原理,要件,権利侵害(1)
- 不法行為の基本原理,要件,権利侵害(2)
- 故意・過失,因果関係
- 損害
- 損害賠償請求権の主体
- 名誉毀損等
- 医療過誤
- 責任能力
- 過失相殺,時効など
- 使用者責任
- 物による権利侵害,共同不法行為
- 事務管理,不当利得(1)
- 不当利得(2)
- 不当利得(3),全体のまとめ
教科書
講義には必ず六法とテキスト(教科書)を持参すること。
基本講義 債権各論Ⅱ 不法行為法〔第4版〕
著者: 潮見佳男
出版社: 新世社・2021年
基本講義 債権各論Ⅰ 契約法・事務管理・不当利得〔第4版〕
著者: 潮見佳男
出版社: 新世社・2022年
民法判例百選Ⅱ〔第9版〕
著者: 窪田充見・森田宏樹編
出版社: 有斐閣・2023年
参考書
書籍情報はありません。