法学入門

法学部

LAW10601

コース情報

担当教員: 北村 喜宣

単位数: 1

年度: 2024

学期: 1クォーター

曜限: 火2

形式: 対面授業

レベル: 100

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

レポート

50%

小テスト等

50%

詳細情報

概要

法学部における4年間の講義のすべては,「法学入門」から始まります。自分たちは今どこにいて,どこに向かおうとしているのか。法学部としての「第一歩」を踏み出すサポートをするのが,この授業です。 高校の「現代社会」のテキストを見ると,この授業の内容がずいぶんと先取りされています。7回の授業を通じて,それを改めて確認しつつもそれを発展させ,法学部生としての理解を定着させます。「資料を読み,独自のリサーチし,自分で考えた結論に至る」という,法学部生らしい作業もしていただきます。 「なぜそうなるのか」。法学部における学習は,すべてがこの疑問から始まるのです。

目標

「法律って,法制度って,何となくこんな感じなのだな」。「何だか面白そうなので,ほかの授業を通じてもっと深掘りしてみたい」。7回の授業を通じて,このような気持ちになってもらうのが,「法学入門」の授業の目標です。 体系的な講義は,ほかの科目にお任せしています。「法学入門」については,とにかく「1年生を法学嫌いにならないようにすること」それだけが,担当教師の責任なのです。 学科の垣根が低い本学部では,いろいろな科目を広く学ぶことができます。そこで,各学科長にもご登場いただき,メッセージを伝えてもらいます。

授業外の学習

①各回の講義にあたって事前に学習するべきレジュメ,必読文献,参考文献は,Moodle を通じて事前に通知されます。まずは,指示にしたがって,その作業をしましょう。自分で考えるべきポイントも伝えられますので,独自のリサーチをして,自分なりの解答を用意して授業に臨みましょう。 ②授業が終わったら,レジュメをもう一度見返しましょう。そこに記述されている内容 についての理解が深まったと感じるはずです。それを踏まえて,次週の授業の準備をしましょう。

所要時間: 190分(これは,文部科学省令「大学設置基準」第 21 条第 2 項によって定められた最低限です)

スケジュール

  1. 【第1講】上智大学法学部へようこそ!:4年間の学びを通観する 法学部には法学部の数だけの特徴があります。皆さんが選んだ本学の法学部では,どのような学びができるのでしょうか。カリキュラムポリシー,そのもとに展開される具体的な科目群と科目名,各学科における学びの特徴を解説します。学習を通じて,「法的に考える」ことができる力を養成しましょう。
  2. 【第2講】法,法律,法的責任:学びの対象を把握する 「法とは従うべきもの」。一般にはこのように考えられています。でも,なぜそうなのでしょうか。高校の校則は法だったのでしょうか。法とは六法全書に収録されているような「目に見える」ものだけなのでしょうか。法にもとづく責任にはどのような種類があるのでしょうか。法の体系とはどのようになっているのでしょうか。学習対象に狙いを定めます。
  3. 【第3講】決定機関,執行機関,裁定機関:法をつくり動かすシステム 法の中心的なものは,議会の決定に係る法律・条例です。議会における立法過程を概観しましょう。それを動かすのは,行政機関です。法はどのようにして作動するのでしょうか。私たち市民の立場はどうなっているのでしょうか。もしも「紛争」「違反」が発生すれば,どのように対応されるのでしょうか。法は真空状態のなかにあるものではありません。具体的に適用されてこそ意味があります。そのメカニズムを確認しましょう。
  4. 【第4講】法を調べる:リーガルリサーチの方法 法学部生の必携資料であるポケット六法。ここに収録されているものだけが「法」ではありません。日本には2000ほどの法律があるほか,政令や省令もあります。自治体の条例や規則もあります。さらに紛争処理の結果としての判決もあります。法学の学習のためには,もちろん書籍や雑誌論文も重要です。自分がほしいものは,どこを探せばみつかるのでしょうか。ネットを駆使した演習作業を通じて,リサーチ能力をつけましょう。
  5. 【第5講】水俣病事件と法:問われた3種類の法的責任 高校の現代社会テキストで必ず言及される水俣病事件。そこでは民事法的責任だけが説明されますが,そのほかにも行政法的責任や刑事法的責任が問われ,そして認められました。どのような意味で3種類の法的責任が問題となったのか。それが認められたのは,問題となった行為が「法律違反」だったからですが,それはなぜだったのか。事例を通じた理解を深めます。
  6. 【第6講】国立市大学通りマンション事件と法:求められる行政対応 問題が発生してからではなく,未然に防止できるのがベスト。しかし,人間は常に将来を考えて行動できるわけではありません。ある程度の予測はでき,そのための仕組みをつくることはできるとしても,「漏れ」は必然的に発生します。法の限界,行政の限界,そして,結末がもたらす将来世代への結論先送り。事例を通じた理解を深めます。
  7. 【第7講】ごみ屋敷にどう対応するか?:拡大する行政の役割と限界 ごみ屋敷問題は,法の限界を痛感させる現代的課題です。何からの病気や特異な性格ゆえにごみを持ち込み・溜め込み,周辺の生活環境に著しい支障が生じています。皆さんが立法者だったら,行政職員だったら,どのような対応をしますか。本人の人権や自己決定権の尊重は重要ですが,周辺住民にただ「耐えろ」というのも理不尽です。自治体による対応が始まっていますが,目に見えての成果はあがっていません。事例を通じた理解を深めます。

教科書

テキストは指定しませんが,Moodleにおいて,参考図書を随時ご紹介します。

    参考書

    書籍情報はありません。

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