日本思想

文学部

HUM60680

コース情報

担当教員: 白井 雅人

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 月4

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

10%

授業参加

10%

リアクションペーパー

20%

レポート

60%

詳細情報

概要

この講義では,近代日本において「哲学」という学問がどのように成立してきたのかを学んでいく。「哲学」は,古代ギリシアの「philosophia」に由来する学問であり,明治期の日本に移入されてきた学問であった。 しかし,日本の哲学者たちは,西洋由来の哲学を学びながら,日本・東アジアの伝統の中に,「哲学」と呼ぶにふさわしい思想を発見していった。そして,みずからの伝統思想と西洋から入ってきた哲学を共に摂取しながら,哲学を形成していった。 このような哲学の移入,伝統思想の「発見」,そして自らの哲学の形成,という明治期の思想の流れを学んでいく。西洋から来た哲学用語の「翻訳」の問題,日本や東味の伝統を「哲学史」として解釈していくことの問題を概観し,日本の哲学者たちがどのような哲学を形成していったのが具体的に見ていく。 リアクションペーパーをMoodleを通じて提出してもらいます。 ①「上智大学情報システム室」のホームページから ②「Moodle」にアクセスし,教員名の頭文字 ③「S」を通って,本科目の担当者 ➃【白井雅人】へ入ると,幾つか科目が出てきますので, ➄「2024_ 日本思想」を選んで, ➅「自己登録」をしておいてください。

目標

1. 西洋哲学と東洋思想という二つの異なる文化の交流を学ぶことによって,国際的な文化交流のあり方について新たな理解を得る。 2. 近代における日本哲学の成立を学ぶことによって,日本の文化に対する理解を深める。 3. 講義を通じて得た新しい考え方を通じて,これまでの考え方について批判的な視座を獲得し,論じることができるようになる。

授業外の学習

予習:配布プリントや参考図書を読み込み,自分なりの意見をもてるようになる(2時間) 復習:授業で扱った箇所を振り返り,レポート作成のためのノートを作る(2時間)

所要時間: 授業1 回あたり190 分(予習90分,復習100分)以上を目安とする。

スケジュール

  1. 第1回:イントロダクション
  2. 第2回:オリエンタリズムの問題
  3. 第3回:日本における哲学用語の翻訳の問題
  4. 第4回:夏目漱石の個人主義とデカルトの自我
  5. 第5回:夏目漱石の則天去私とデカルトの神
  6. 第6回:朱子の「理学」と王陽明の「心学」
  7. 第7回:阿弥陀への信仰
  8. 第8回:明治期におけるジェンダーの問題
  9. 第9回:井上哲次郎の「日本哲学」と実在論
  10. 第10回:井上円了の「日本哲学」と実在論
  11. 第11回:井上哲次郎と井上円了の宗教論
  12. 第12回:個人の自覚と国家
  13. 第13回:西田幾多郎と伝統思想
  14. 第14回:西田幾多郎における個人の自覚と国家

教科書

必要に応じて資料を配布する。

    参考書

    • 近代化と伝統の間:明治期の人間観と世界観

      著者: 吉田公平, 岩井昌悟, 小坂国継編

      出版社: 教育評論社, 2016

    • 原子論の可能性:近現代哲学における古代的思惟の反響

      著者: 田上孝一,本郷朝香編

      出版社: 法政大学出版局,2018

    • 論集 井上円了

      著者: 東洋大学井上円了研究センター

      出版社: 教育評論社,2019

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