医学一般

概要

本講義は原則として対面授業で行う。授業の受講方法，レポートの提出に関しては,Loyola掲示板またはMoodle上に表示する。第2回目以降の授業の資料は,MoodleにPDF形式でアップロードするため,受講前に入手しておくことが望ましい。 本講義は,将来,医療や介護に関係する職業につく可能性のある社会福祉や心理学,看護学などの学生を対象とするだけではなく,他学部の一般学生に対しても開かれたものとしている。したがって,医学的な予備知識がなくても理解できるものとする。そして,自分や家族などが医療を受けるときに必要となる医学や医療についての基礎的知識や考え方を学ぶ場とする。 まず,健康とは何か,病気とは何かを理解し,インフォームドコンセントの概念や医療情報のあり方,集め方,読み方など医療情報リテラシーを概説する。 次に,わが国の死因の主要因子である「がん」やメタボリックシンドローム関連疾患(脳卒中,心筋梗塞を含む)など,基本的な病気について解説しその理解を深める。これらの疾患を予防するために,どのような生活習慣が必要なのか,栄養や安静・運動など,健康を維持する上で望ましい生活習慣のあり方についても学習する。さらに,生活習慣を変えていく(あるいは自ら変わる)ためのアプローチ法について考える。 終末期医療や尊厳死,スピリチュアルケア,脳死と臓器移植,人工臓器,出生時の問題,再生医療など,いのちや社会との関わりが深い医療倫理・生命倫理についての話題も取り上げる。今日的な医療問題である,新興感染症,高齢者と認知症,貧困と健康格差などもふれたい。 以上の講義を通して,健康や医療に関する自分のもつ常識を振り返り,それらを再構築しアップデートすることにより,今日求められている健康・医療に関する知識や考え方を身につけられることを目標とする。また,患者を中心とする医療を実現するための一般常識や考え方,態度を身につけ,それらに関するわが国の問題点を理解し,自らが情報を収集し,自分で判断し・解決できるための高い健康情報リテラシーをもつ社会人になることを目標とする。

目標

病気や健康に関する基礎的な知識を身につけ,わが国の医療のシステムや構造を理解し,患者中心の医療とは何かについて考え,それを実現するために,その医療を受けるために,自分自身は何をすべきなのか,できるのかについて考える力を身につけることを目標とする。

授業外の学習

毎回,翌週までにリアクションペーパーを提出してもらう。授業によって,自分はどのように感じ,考え,自ら調べたかなどについてまとめ提出する。 テキストとして掲示する「患者の力；患者学が見つけた新しい医療の姿」(春秋社)を事前に読んでいることが望ましいが,読んでいなくても理解できる内容として授業をすすめる。

所要時間: 200分