当事者福祉論
総合人間科学部 - 社会福祉学科
HSS61400
コース情報
担当教員: 岡 知史
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 月5
形式: 対面授業
レベル: 100
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
リアクションペーパー
その他
Moodleに過去の評価規準を詳しく記載しているので,それを参照していただきたい。
詳細情報
概要
社会福祉において長い間「対象者」としてとらえられていた人々が,社会福祉サービスの利用者として自らの権利を主張し,福祉政策や福祉サービスのあり方に影響を与え,かつボランタリーな市民運動の一環として自らサービスを提供する時代になってきた。それは患者,依存症者,身体障害者に始まり,いまや精神障害者,ひとり親家庭,死別体験者,ホームレスの人々などさまざまな人々によって実践されている。しかし,このような当事者の組織化やエンパワメント,当事者運動の動きと連携する社会福祉やソーシャルワーカーのありかたについては,地域福祉論,障害者福祉論,医療福祉論等の各分野論で断片的に論じられるだけであり,包括的に捉えられ考察されることがなかった。この講義はその議論の空白を埋めるものであり,「当事者福祉論」という新たな論点を確立しようとするものである。授業は,学生どうしの議論によって進めていく。
目標
1) 当事者がどのような福祉をつくろうとしているのかを理解する。 2) 当事者組織の可能性と危険性,限界について理解する。
授業外の学習
予習:70分程度。当事者福祉に関する概念は,多くの学生にとって未知なものであるので,Moodleに提示した動画によって学び,十分な予習をすること。 演習問題の準備:60分程度。授業において演習(議論)を行うので,その準備をすること。 復習:60分程度。授業で理解できなかったところを中心に復習する。
所要時間: 190分
スケジュール
- オリエンテーション
- 当事者は社会的弱者か
- 当事者にしかわからないこと
- 日本の伝統的組織:相互扶助組織,年齢階梯組織,講
- 地区内網羅的組織
- 地区当事者組織と公的支援
- 戦前日本の解放運動
- 戦後日本の解放運動
- 青い芝の会の衝撃
- ナラティブのコミュニティ
- 自助グループと文化:医療化との関連で
- 自助グループと疑似科学
- スピリチュアリティ
- 自助組織の組織論と専門職のメタファー
教科書
随時示す。
参考書
書籍情報はありません。