政治社会学
総合人間科学部 - 社会学科
HSC53300
コース情報
担当教員: 猿谷 弘江
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 木3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
詳細情報
概要
社会学には,私たち自身が社会構造を作り,同時に社会構造が私たち自身のあり方を規定するという考え方があります。普段の生活ではあまり意識することのない「政治」もまた見える形・見えない形で日常的に私たちに関わっています。 政治社会学は「政治」の意味するところを広く捉え,(1)私たちが参与している社会システムや制度はどのようなものか,(2)私たちはそれらにどのように参加しえるのかを分析,明らかにする学問分野です。政治社会学が扱う具体的なテーマには,議会制民主主義,社会主義や福祉国家などの異なる国家の形態,資本主義などの諸経済システム,権力の関係,市民権などの諸権利,社会活動や社会運動などが含まれます。 現代社会の「政治」は,混沌とした様相を呈していますが,授業では政治社会学の理論や概念,また現代的な事例を取りあげながら,私たちを取り巻く社会について分析,考察する力をつけることを目指します。この授業では,特にアメリカ社会を事例を取りあげますが,適宜,日本の事例も参照します。政治の知識は必ずしも必要ありませんが,社会科学のいずれかの基礎コース(100,200番台,社会学でなくても構いません)が既習だとよいでしょう。 授業では,リアクション・ペーパーなどの課題もあり,これらについては授業のなかでフィードバックを行います。また,授業では学期中に何回かグループ・ディスカッションを行い,現代の社会のあり方の理解を深めていきます。関心と意欲のある学生の受講を期待します。
目標
(1)政治社会学における基礎概念と古典的理論,また近年の理論やアプローチを習得する (2)授業で得た知識と知見から,現在の社会を批判的(critical)に分析する力を伸ばす (3)(1)と(2)に基づいて,望ましい社会について自分自身の見解をもつ
授業外の学習
・授業で指定した教科書のページは,事前に読んでおくこと。課題についての具体的な指示は授業中に行います。 ・予習には毎週70分程度,各種の課題や復習には,毎週120分程度かかることが見込まれます。
所要時間: 190分
スケジュール
- ※以下は予定であり,進捗状況によりスケジュールは変更することがあります イントロダクション
- 政治社会学の中心概念:「パワー」という概念について
- 国家へのアプローチ(1):マルクス的アプローチ
- 国家へのアプローチ(2):ウェーバー的アプローチ
- 国家へのアプローチ(3):アメリカ国家とパワー・エリート
- 国家へのアプローチ(4):アメリカと戦争
- 国家へのアプローチ(5):アメリカと企業
- 現代国家に関するドキュメンタリー映画
- 民主主義と市民社会(1):民主主義の規範的理論について
- 民主主義と市民社会(2):民主主義の実証的理論について
- 民主主義と市民社会(3):全体主義と専制政治について
- 社会変動と社会運動(1)
- 社会変動と社会運動(2)
- 学期のまとめ
教科書
詳細は開講時に指示します
Political Sociology: Power and Participation in the Modern World, 5th Edition
著者: Anthony M. Orum and John G. Dale
出版社: Oxford University Press, 2009
参考書
書籍情報はありません。