文化社会学

総合人間科学部 - 社会学科

HSC51600

コース情報

担当教員: 芳賀 学

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 金1

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

30%

定期試験

定期試験期間中

70%

詳細情報

概要

この講義では,1980年代以降消費社会期に入ったといわれる現代日本社会にあって,多様に展開されている文化活動の中から,自己啓発セミナー・エステ・占い・ヒーリングなど,「自分探し」や「癒し」といった個人のアイデンティティに深くかかわるもの(=精神文化)を中心に取り上げて,その実態と社会的背景について解説する。「豊かな」社会といわれる物質的繁栄のもとで,人々は何に悩み,その解決を求めて何に向かっているのだろうか。それぞれの現象の実態から,その背後にある現代人のライフスタイルとの関連について社会学的に考察する。 総じて,社会学科開講の専門科目として,文化社会学・宗教社会学に関する300レベル相当の専門知識を提供する。なお,アクティブ・ラーニング(リアクションペーパー)を5回程度実施する。

目標

この講義の目標は,同時代的な現象を対象とすることで,普段は意にとめないであろう自分の身近な文化現象のひとつひとつに,現代の日本社会やわれわれのライフスタイルがどのような影響を与えているのか,そのメカニズムを理解し,自らの頭でそれへの対処法を工夫しうる力を養成することである。

授業外の学習

指定した参考書などを用いて,授業後に復習をしていただくと効果的である。ルポルタージュやノンフィクションの作品を視聴したり,書籍,雑誌,DVD,インターネットなどを用いて,その回に取り上げた現象について情報を集めたりすることも有益である。さらに,授業後に,その回に取り上げた考え方や現象についての自分の考えをまとめてほしい。。

所要時間: 190分以上

スケジュール

  1. イントロダクション(以下は予定であり,授業の進捗状況によってテーマごとの回数は変更することがありうる。)
  2. 現代日本における教団宗教の退潮と精神文化の興隆
  3. 背景としての消費社会(1):消費社会とは何か
  4. 背景としての消費社会(2):コミュニケーションの特徴
  5. 自己啓発セミナー:「親密性」と「匿名性」の共存
  6. セルフヘルプグループ:痛みを分かち合う匿名の場
  7. ネットワークビジネス:「夢を追う」者たちのネットワーク
  8. エステ・サロン:コンプレックス克服か自分探しか
  9. 占い:個人的物語製造装置
  10. ヒーリング・ビジネス:ストレス社会の対応物?
  11. 音楽・芳香・ペット:マジョリティの文化との共通性
  12. 現代における祭りの変容
  13. まとめ(1):表出的個体主義の時代
  14. まとめ(2):自己コントロールの拡大とその行方

教科書

使用しない。

    参考書

    以下の3冊以外は,開講時以降に適宜指示する。

    • 祈る ふれあう 感じる―自分探しのオデッセー

      著者: 芳賀学・弓山達也

      出版社: IPC・1994年

    • みんなぼっちの世界―若者たちの東京・神戸90s[展開編]

      著者: 富田英典・藤村正之編

      出版社: 恒星社厚生閣・1999年

    • スピリチュアリティの社会学―現代世界の宗教性の探求

      著者: 伊藤雅之・樫尾直樹・弓山達也編

      出版社: 世界思想社・2004年

    © 2025 上智非公式シラバス. All rights reserved.