計画と政策の社会学
総合人間科学部 - 社会学科
HSC51300
コース情報
担当教員: 藤村 正之
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火1
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
レポート
詳細情報
概要
社会変動を意図的に制御しようとする試みのひとつが社会計画であり,それをより具体化したものが社会政策であると考えられます。社会学は分析に主眼のある研究領域ではありますが,その創始以来,社会の変動を理解することとその再組織化に関心をもっており,社会計画と社会政策の社会学的研究はその関心の表れとも言えます。 本講義では,社会学における社会計画と社会政策の研究の潮流を確認したうえで,現代社会における社会計画と社会政策の価値や理論,分析視点などについて学ぶとともに,それらの立案・実施・評価というフィードバック過程における各関係アクターの関係について考えていきたいと思います。社会に意図的に関わっていくことに求められる視野と構想力,矛盾を発見し,その解決を模索する思考力の獲得をめざしましょう。 社会学の観点を現代社会の特定領域に応用して,その構造と変容の理解を深めるのが本授業となります。 (リアクションペーパーの回収は対面,Moodle,各々の場合があります。リアクションペーパーやレポートに基づき,グループで議論してもらう場合があります。)
目標
(1)現代社会では,さまざまな場面において社会計画や社会政策に関わる話題が報じられているので,それらに気づき,その内容を理解できるようにする。 (2)社会計画や社会政策について,それらの決定過程や実施過程が人々の各種の相互行為の中に置かれていることを自覚し,計画や政策の内容だけでなく,プロセスにも関心を払うようにしていく。 (3)社会計画や社会政策の学習を通じて,社会構造や社会変動の方向性に敏感になり,自らがその社会を形成する一員であることの自覚を高めていく。
授業外の学習
予習としては,日常生活の中で自らの周辺に起こる社会計画や社会政策に関する出来事,新聞・雑誌・ウェブなどのメディアで伝えられる事象について幅広く関心を持ち,その現象の実態や成立理由,社会的影響などについて考えるクセをつけることが望まれる。 復習では授業中に配布するプリントについて内容を確認し,そこに登場する概念や用語を社会学辞典・事典などにおいて調べて,日常生活の理解に応用できるようにする。 また,授業中に紹介した文献などを,その後の予習的意味でできるだけ多く読了し,社会学の感覚や考え方にふれる機会を増やす。
所要時間: 予習2時間程度,復習1時間半程度
スケジュール
- (※以下は予定であり,授業の進捗状況によって,各テーマの順番や回数などについて変更することがありえます。) 社会構想・社会計画・社会政策
- 社会計画の社会学1-近代化・産業化・資本主義と社会主義
- 社会計画の社会学2-福祉国家の展開と社会学的理解
- 社会計画の社会学3-福祉国家への批判と福祉社会
- 社会計画の社会学4-自由への計画と漸次的社会工学・リスク社会
- 社会政策の社会学1-資源配分様式とその現代的展開
- 社会政策の社会学2-政府組織と政策過程
- 社会政策の社会学3-生活水準と貧困・不平等・不公正
- 社会政策の社会学4-社会指標・生活の質(QOL)と生活者
- 計画と政策をめぐる社会過程1-市民活動とNPO
- 計画と政策をめぐる社会過程2-市民権と社会的排除
- 計画と政策をめぐる社会過程3-政治過程と政策評価
- 現代社会の方向性と社会学のかかわり
- 計画と政策の社会学・まとめ
教科書
特定のテキストは使用しない。資料を配布する。
参考書
『福祉社会・新版』
著者: 武川正吾
出版社: 有斐閣・2011年
『福祉国家の再編成』
著者: 藤村正之
出版社: 東京大学出版会・1999年
『福祉政策の理論と実際(新版)』
著者: 三重野卓・平岡公一編
出版社: 東信堂・2005年