ライフスタイルの社会学
総合人間科学部 - 社会学科
HSC51100
コース情報
担当教員: 藤村 正之
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 火1
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
レポート
その他
レポートは学期中・学期末のレポートとして複数回課します。Moodleでのレポート指示に注意してください。
詳細情報
概要
高度産業社会の進展は,私たちの生活や価値観を固定的なものから選択可能なものに作り替え,その結果,ライフスタイルの概念が積極的意味をともなって登場してきました(例えば,DINKS,LOHAS,ワーク・ライフ・バランスなど)。しかし,生活を通じて社会構造の影響にさらされる私たちは,思うほど自由気ままな人生を歩むわけではありません。資源・人間関係・規範との緊張関係のただなかにあるのが現代のライフスタイルでもあります。 本講義では,個人・家族と社会構造を結ぶ媒介項としてライフスタイルをとらえ,その諸要素や歴史的変遷,消費や時間という重要契機への着目,生活問題への対処や社会関係の再形成などの諸点,それらを通じての人々の〈生〉のあり方について社会学的に考察していきたいと思います。生活やそれを構成する諸要素を時代比較や文化比較の中でとらえ,社会の変化と関連づけていく力を身につけていきましょう。 社会学の観点を現代社会の特定領域に応用して,その構造と変容の理解を深めるのが本授業となります。 (リアクションペーパーの回収は対面,Moodle,各々の場合があります。リアクションペーパーやレポートに基づき,グループで議論してもらう場合があります。)
目標
(1)戦後の日本社会を中心に,日々の生活の変化と社会の変化を関連づけて考える力を身につける。 (2)生活研究,消費研究,時間研究などに関連する社会学の視点や理論について理解を深める。 (3)階層問題や環境問題,ワークライフバランスの問題など,生活に関連する社会問題の諸相について認識を深める。
授業外の学習
予習としては,日常生活の中で自らの周辺に起こる出来事,新聞・雑誌・ウェブなどのメディアで伝えられる事象について幅広く関心を持ち,その現象の実態や成立理由,社会的影響などについて考えるクセをつけることが望まれる。 復習では授業中に配布するプリントについて内容を確認し,そこに登場する概念や用語を社会学辞典・事典などにおいて調べて,日常生活の理解に応用できるようにする。 また,授業中に紹介した文献などを,その後の予習的意味でできるだけ多く読了し,社会学の感覚や考え方にふれる機会を増やす。
所要時間: 予習2時間,復習1時間半程度
スケジュール
- (※以下は予定であり,授業の進捗状況によって,各テーマの順番や 回数などについて若干変更することがありえます。) 〈生〉や〈生活〉への社会学の視点
- 社会構造・生活構造・ライフスタイル
- 戦後日本の社会変動と生活変動
- ライフスタイルと家族変動
- ライフスタイルと消費1-消費社会論と消費行動論
- ライフスタイルと消費2-消費社会の社会問題
- ライフスタイルと消費3-社会階層と格差問題
- ライフスタイルと時間1-時間の社会学
- ライフスタイルと時間2-生活時間の配分
- ライフスタイルと時間3- 労働時間と余暇
- ライフスタイルと社会関係1-ジェンダーと生活
- ライフスタイルと社会関係2-個電化・モバイル化するメディア
- ライフスタイルと社会関係3-NPOや社会活動の展開
- ライフスタイルの社会学・まとめ
教科書
特定のテキストは使用しない。資料をMoodleまたは対面にて配布します。
参考書
『人口減少社会のライフスタイル』
著者: 宮本みち子
出版社: 放送大学教育振興会・2011年
『日常生活の探求ーライフスタイルの社会学』
著者: 大久保孝治
出版社: 左右社・2013年
『〈生〉の社会学』
著者: 藤村正之
出版社: 東京大学出版会・2008年