社会学史II

総合人間科学部 - 社会学科

HSC50800

コース情報

担当教員: 井腰 圭介

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木4

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

出席状況

10%

リアクションペーパー

30%

レポート

60%

その他

「リアクションペーパー」とは,受講者の理解度などを確認するために講義内容に対する見解・疑問点などを各回の授業後に任意に提出を求めるものである。期末レポートは3000字程度で授業の理解度を問う課題を出題する。

0%

詳細情報

概要

社会学は現実を見る特殊な見方である。たとえば社会学は人間を「地位と役割の束」として見る。このとき,人間の「身長や体重」は無視される。もちろん身長や体重のない人間は「現実」には存在しないから,社会学は常識とは異なる見方で現実を見ていることになる。単純な例にすぎないが,このような社会学という特殊な見方がどんな社会的背景から作られてきたかを説明しながら,現代社会学の見方の特徴と意義を整理する。社会学と社会のつながりの歴史性を焦点にして,現代社会学の魅力と課題を検討する糸口を提供したい。なお社会学史Ⅰと社会学史Ⅱは,それぞれ独立した内容であり,社会学史Ⅰの受講を前提した内容ではない。

目標

1.社会学がもっているものの見方の特徴がわかる。 2.知識の性質や効果を類型的に考えることができる。 3.過去の社会学理論を学ぶことの意義を理解できる。

授業外の学習

1.前回の配布資料を読み,資料のポイントを整理し,次回の講義との関連性を考えてから翌週の授業に参加して下さい(資料の解読に2時間程度を想定)。 2.復習に毎回必ず自分で「1つ」は講義内容の疑問(質問事項)を作り,回答してみて下さい。(2時間程度を想定)。 3.疑問点は,ネットや参考文献を利用して自分なりに解答を作ってみて下さい。 4.解答が得られなかった場合はリアクションペーパーの提出時に教員に質問して下さい。

所要時間: 授業1回に当たり190分以上の学習を行うこと。

スケジュール

  1. オリエンテーション ―社会学史Ⅱの目的と構成意図/歴史の特性と効用 *以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数を変更することもありうる。
  2. 知識と現実と社会/状況の定義とパースぺクティヴ ―知識の土台としての社会とその所在
  3. 生産・流通・消費されるものとしての知識/形式知と暗黙知 ―社会の土台としての知識とその効用
  4. 「研究の始まり」を考える(1)/自明性の条件とその揺らぎ ―問題と謎・認識欲求
  5. 「研究の始まり」を考える(2)/経験と知識の共有の仕方 ―観察と記録・表現
  6. 社会学の「科学性」と「技術性」の問題 ―知識生産の動機と歴史的背景1/論理化と操作化
  7. 「社会の科学」という発想の歴史性(1) ―自然と社会という対象区分と認識関心
  8. 「社会の科学」という発想の歴史性(2) ―規則性と規範性の異同と認識関心
  9. 社会学の「科学性」と「倫理性」の問題 ―知識生産の動機と歴史的背景2/可能性と価値
  10. 社会研究の実例と課題(1) ―社会学の古典による具体的な検討
  11. 社会研究の実例と課題(2) ―社会学の古典による具体的な検討
  12. 社会研究の実例と課題(3) ―社会学の古典による具体的な検討
  13. 社会学が生産してきた知識の特性と意味 ―科学的知識と反省的知識の機能/集団の内側と外側
  14. 社会学はどういう意味で「役に立つ」のか? ―社会学のなかの歴史と歴史のなかの社会学/認識と実践の結びつき方

教科書

教科書は使用しない。不明な点は下記の参考文献を参照。

    参考書

    下記以外の参考文献は適宜授業の中で紹介する。

    • 社会学史入門

      著者: 仲川秀樹編

      出版社: ミネルヴァ書房・2020

    • 社会とは何か

      著者: 竹沢尚一郎

      出版社: 中公新書・2010

    • 現代の社会科学者

      著者: 富永健一

      出版社: 講談社学術文庫・1993

    © 2025 上智非公式シラバス. All rights reserved.