心理学研究法IIIA(ロールシャッハ)

総合人間科学部 - 心理学科

HPS63700

コース情報

担当教員: 佐藤 豊

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 水4

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

10%

授業参加

5%

レポート

85%

その他

出席回数,授業参画,課題レポートの提出をもとに成績を評価する。課題レポートの未提出,無断欠席が多い者の成績の評価は行わない。

0%

詳細情報

概要

ロールシャッハテストについて,主に包括システムを紹介し,施行法やコーディングの方法を学習する。施行法実習にあたっては,グループワークを実施する。また,テスト状況における検査者-被検者関係の理解を深めるために,心理療法に関する基礎的な文献講読もおこなう。文献のいくつかは自費での購入となるので,図書館を利用したり前年度の履修生に借りたりして,経済的な負担には各自対応していただきたい。 体調を崩したり途中で履修を取りやめざるを得なかったりする学生も多い。3年生は他の演習と,4年生は就職活動や卒業論文とともに本講義を履修するストレスと負担をよく考え,履修を終えた友人や先輩の話を聞き,覚悟を決めて登録すること。 毎年,履修生は授業外でもお互いに連絡を取りあって助け合うことも多かったと聞く。自宅で課題に一人向き合う時間の中で,それぞれは授業を乗り切るための体調の整え方,履修生同士のサポートを意識しておくこと。 半期の講義ではあるが,ロールシャッハテストについてだけでなく,心理臨床の基本について,そして,心理臨床にたずさわろうとする自分について,さまざまな想いをめぐらせてほしい。 ブックレポートや課題をきちんとやり遂げている履修生に比較すると,短期間のうちに知識や熱意に大きな差が生じるため,多くの聴講生は途中で挫折する。特別な理由がない限り聴講は認めない。

目標

①心理検査における検査者―被検者関係の特性を理解し,検査者として,被検者に適切な配慮ができる。 ②心理検査状況及び面接における言語的,非言語的なやりとりに目を向け,その場の「雰囲気」に関心をはらうことができる。 ③ロールシャッハテスト発展の歴史を概観し,包括システムによるロールシャッハテストの特徴を理解している。 ④包括システムによるロールシャッハテストの反応産出過程について理解している。 ⑤包括システムによるロールシャッハテストの施行法を理解している。 ⑥テキストを参考にして,包括システムによるロールシャッハテストの施行手順を実施できる。 ⑦被検者の反応をコードするための,各種の記号を理解している。 ⑧簡単な反応内容であれば,その内容をコード化できる。 ⑨得られた反応内容から,テキストを参考にして構造一覧表を作成できる。 ⑩構造一覧表のデータから,解釈戦略の順番を導くことができる。 ⑪心理療法に関する文献や症例を読むことを通じ,教科書的な知識よりも幅広く,治療経過や疾患をかかえる患者や家族の心理を想像することができる ⑫心理療法的な関係において重視すべきことが理解でき,相手を配慮した面接導入を想像することができる。

授業外の学習

心理療法の基礎,クライエントの精神病理などに関する毎週のブックレポート。基礎コーディング課題の宿題。以上の課題に関して,最低でも毎週3~4時間の授業時間外の学習を要する。一週間の学習計画をきちんとたてないと,授業前日の睡眠時間は大幅に削られる可能性がある。

所要時間: 240分

スケジュール

  1. イントロダクション
  2. ロールシャッハテストの歴史と性質 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。
  3. 臨床場面における心理検査の利用 テスト場面での検査者-被験者関係 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。
  4. 施行の手順について① 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。
  5. 施行の手順について② 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。
  6. ロールシャッハの言語~コーディング解説① 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。 コーディング課題に関する解説及び質疑応答。
  7. ロールシャッハの言語~コーディング解説② 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。 コーディング課題に関する解説及び質疑応答。
  8. コーディングのまとめ 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。 コーディング課題に関する解説及び質疑応答。
  9. Z-test実習 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。 Z-testを用いての施行法実習。 コーディング課題に関する解説及び質疑応答。
  10. 症例のコーディング実習。 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。 症例のコーディング課題に関する解説及び質疑応答。
  11. 結果の整理と解釈の基礎① 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。 症例のコーディング課題に関する解説及び質疑応答。
  12. 結果の整理と解釈の基礎② 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。 症例のコーディング課題に関する解説及び質疑応答。
  13. アセスメントの実際①(事例検討) 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。
  14. アセスメントの実際②(事例検討) 授業で提示された参考文献に関するレポートを提出する。 講義全体を振り返っての課題レポート提出する。

教科書

心理療法の基礎に関する文献多数

  • ロールシャッハテスト・ワークブック(第5版)

    著者: J.E.エクスナー著 中村紀子,津川律子,西尾博行訳

    出版社: 金剛出版 2003

参考書

  • ロールシャッハ・テスト 包括システムの基礎と解釈の原理

    著者: J.E.エクスナー著 中村紀子/野田昌道監訳

    出版社: 金剛出版 2009

  • ロールシャッハの解釈

    著者: J.E.エクスナー著 中村紀子/野田昌道監訳

    出版社: 金剛出版 2002

  • 包括システムによるロールシャッハ臨床―エクスナーの実践的応用

    著者: 藤岡淳子

    出版社: 誠信書房 2004

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