心理学特殊講義Ⅱ(こころに挑む生命科学)
総合人間科学部 - 心理学科
HPS63200
コース情報
担当教員: 坂口 菊恵
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 月4
形式: オンデマンド授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
レポート
小テスト等
その他
小テストは全14回の平均値とする。提出しなかった回については0点となる。 期末レポートと合計して60点以上を合格とする。
詳細情報
概要
分子生物学のみならず,工学・情報科学技術の急速な進展により,人間を取り巻く医療や生活支援技術は大きな転換期を迎えています。高度生殖医療やゲノム編集など,ひと昔前であれば,「神の領域」と考えられたような技術が日常的になりました。基礎的な知識がありさえすれば一般人でも開発利用の一端を手がけることができるようになっているほどです。 絶滅生物を復活させる,脳と機械をつなぐ,もしくは人工生命や人工の脳を作成する,デジタルで不老不死をめざすといったSF的な技術が現実的なものとなってきています。 前半は性の多様性について,これまで生物学的なアプローチをもとに解明しようとしてきた経緯を題材に,遺伝子・DNAと行動とのかかわりについての研究の発展を紹介します。 つぎに,生殖医療や不老不死を目指す研究,個人の記憶を残したり脳の働きを補強したりしようとする試みを紹介します。 基礎的な知識から身につくように解説しますので,前提知識は必要ありません。しかし内容は多岐にわたりますので,関心を持ったこと,分からなかったことは自分で積極的に調べ,学んでいくことが必要です。 オンデマンド・オンライン形式の授業であり,毎回ミニテストへの回答が必要です。 各人が関心を持ったトピックについて書籍・論文やインターネットで調べ,レポートにまとめることをゴールとします。期末レポートでは,学術論文に準じる形式のレポートを作成します。
目標
・科学ニュースで取り上げられるトピックについて,基礎知識を身につける。 ・新しい医療技術や科学知見の価値や問題点について,自ら調べて判断できるようになる。
授業外の学習
【予習】 90分 ・科学ニュースに興味を持って読む。 ・取り上げる分野について,基礎知識に不安があれば,参考文献やインターネットで学習しておく。 ・参考文献リストや授業計画を参照し,自分の関心のある分野については特に,最終レポートの作成を視野に入れて予習して授業に望む。 【復習】 100分 ・ミニテストに回答する。 ・授業内で関心をもった内容について,文献やメディアで学習する。
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション(遺伝と環境)
- 遺伝子のはたらきを知る方法
- 現在の遺伝子研究
- 絶滅生物の復活と生殖医療
- 生殖補助医療発展編
- 遺伝子治療・ゲノム編集
- 人工生命・不老不死
- 不老不死・認知症
- 認知症診断と治療の最前線
- 脳の活動を分析する
- 脳の仕組みを解明する
- 脳をつくる
- 脳の限界を超える
- 意識はどこにあるのか
教科書
最新かつ,多数の参考文献を使用するため,授業内でリストを案内する。
参考書
参考書の購入は必須ではないが,授業内容に広汎にかかわる知識を得るのに効率的であるため,紹介する。
「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」
著者: 櫻井 武
出版社: 講談社ブルーバックス
進化が同性愛を用意した:ジェンダーの生物学
著者: 坂口 菊恵
出版社: 創元社