芸術学研究演習

文学部 - 哲学科

HPH72750

コース情報

担当教員: 桑原 俊介

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 水3

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

10%

授業参加

50%

レポート

40%

詳細情報

概要

この授業は,トム・ガニング『映像が動き出すとき――写真・映画・アニメーションのアルケオロジー』(みすず書房,2021)を,日本語訳で精読する授業です。 本書は,初期映画研究・メディア史研究の泰斗として知られるトム・ガニング(Tom Gunning 1949- )の世界初の論文集です。そこでは「映画やアニメーションといった映像文化を基礎づけている,イメージの〈動き〉もしくは〈運動〉が,なぜ人間にとって魅惑的なものとして現象するのか」という問題が様々な角度から論じられます。 ――映像が「動く」とき,なぜひとはこれほどまでに心動かされるのだろうか―― この問題を,初期映画,写真,アニメーション,視覚の玩具,人造人間,モーションキャプチャ,身体トレースといった,19世紀から現代へといたる多種多様な「動く」メディアの変遷を辿りつつ哲学的に考えてゆきましょう。

目標

動くメディアが提示する様々な哲学的問題を,ガニングのテクストの解釈を通じて議論し,自分なりの問題を見出し,論述することができるようになることが目標となる。

授業外の学習

講読箇所を授業までに,最低2回は読み込み,言及される映像を可能な限り実際に確認しておくこと。 授業後は,最低1回は再読し,授業で解釈した内容を自ら再構成することができるようにすること。

所要時間: 200分

スケジュール

  1. イントロダクション
  2. 視覚の新たな閾――瞬間写真とリュミエールの初期映画(1)
  3. 視覚の新たな閾――瞬間写真とリュミエールの初期映画(2)
  4. インデックスの何が問題なのか? あるいは,さまざまな偽造写真
  5. 継起性の芸術――コミックを読むこと,書くこと,見ること(1)
  6. 継起性の芸術――コミックを読むこと,書くこと,見ること(2)
  7. インデックスから離れて――映画と現実性の印象
  8. 動きのアトラクション
  9. 静止したイメージと動くイメージのあいだの戯れ
  10. 変容=変形するイメージ――運動とメタモルフォーゼというアニメーションの起源(1)
  11. 変容=変形するイメージ――運動とメタモルフォーゼというアニメーションの起源(2)
  12. 瞬間に生命を吹き込むこと――アニメーションと写真の間の秘められた対称性
  13. ゴラムとゴーレム――特殊効果と人工的身体テクノロジー(1)
  14. ゴラムとゴーレム――特殊効果と人工的身体テクノロジー(2)

教科書

下記の書物を教科書とします。購入が望ましいですが,購入が難しい場合はこちらで一部コピーを用意します。

  • 『映像が動き出すとき――写真・映画・アニメーションのアルケオロジー』

    著者: トム・ガニング

    出版社: みすず書房・2021

参考書

書籍情報はありません。

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