現代哲学A
文学部 - 哲学科
HPH56400
コース情報
担当教員: 長町 裕司
単位数: 1
年度: 2024
学期: 1クォーター
曜限: 火5
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
その他
授業終了前に各講師による各テーマについてリアクションペーパーを提出し,評価に加える。
詳細情報
概要
本年度(2024年度)春学期の第一クオターでは,今回はM. ハイデガーによる現象学の理念の改変に伴う〈解釈学(Hermeneutik)〉の存在論的規定からの哲学的問題次元を明らかにし,ハイデガーからの多大な影響の下に組織的な〈解釈学的哲学〉を樹立したH. = G. ガダマーの哲学的解釈学の方位を主題とする。さらに,ドイツ/フランスにおける20世紀以降の哲学的解釈学の発展路線を展望し,受講学生たちがこの展開の諸様相を視野に収めることによって,現代哲学の思索のあり方に浸潤することをこの科目の目的とする。この機会に受講者学生たちが質疑応答も含め大いに知見を広くできることを期待する。
目標
・ 現代哲学における思惟の課題と問題状況へと肉迫できる精神的姿勢を培うこと。 ・ 20世紀から21世紀へと進展してゆく,哲学的思惟の問題の立て方に習熟してゆく こと。 ・ 20世紀に展開する哲学史に固有な諸テーマについての理解を深めること。 ・ 各学生の主要関心に即して次第により専門化するテーマとの関わりで,現代にお ける哲学の使命と意義・役割を自覚できるための素養を培うこと。 ・ 学期末課題レポートでは,各受講者が自らの自立的な思惟によって問題を掘り下 げる記述を準備できること。
授業外の学習
各講師の教員の各授業内容の理解を徹底化すること。筆記したノートの内容を整理し,次回の授業で理解の不十分な点や疑問点について質問できるように準備し,必要ならば授業後に先生をつかまえて補説をお願いすることも,勉学の発展のために大切である。 学期末の課題レポートを準備する上でも,授業時に挙示される参考文献や資料を積極的に研究する姿勢が望ましい。
所要時間: 復習として90分程度,予習として100分程度を目安とする。内容については授業時に示唆する。
スケジュール
- 導入部:現代思想と解釈学的哲学(イントロダクション)― 長町 裕司(上智大学 哲学科 専任教員 )
- M. ハイデガーとドイツ解釈学の伝統(ハイデガー Ⅰ) ― 長町 裕司(本学 哲学科 専任教員)
- 前期ハイデガーにおける現象学の理念の改変,解釈学的現象学(ハイデガー Ⅱ) ― 長町 裕司(本学 哲学科 専任教員)
- ハイデガーと哲学的解釈学(ハイデガー Ⅲ) ― 長町 裕司(本学 哲学科 専任教員)
- H.= G. ガダマーと哲学的解釈学(ガダマー Ⅰ)― 小平 健太(高千穂 大学 人間科学部)
- H.= G. ガダマーと哲学的解釈学(ガダマー Ⅱ)― 小平 健太(高千穂大学 人間科学部)
- H.= G. ガダマーと哲学的解釈学(ガダマー Ⅲ) ― 小平 健太(高千穂大学 人間科学部)
教科書
特定のテキストは,教科書としては指定しない。 しかし,以下に例示する(未だ比較的入手しやすい)入門書のどれかを通読することを勧める。
『解釈学の根本問題』(竹市 明弘 編〈現代哲学の根本問題〉シリーズ 第7巻)
著者: オットー・ペゲラー 他(著)/瀬嶋 豊 他(訳)
出版社: 晃洋書房 1977年11月
『解釈学の展開』
著者: E. フフナーゲル(著)/竹田・齋藤・日暮(訳)
出版社: 以文社,1991年11月
『現象学と解釈学 (ちくま学芸文庫 ニ 8-1)』
著者: 新田 義弘(著)
出版社: 筑摩書房,2006年8月
参考書
邦訳のある参考書としては,解釈学的哲学の流れの全体的叙述を優先して例示した。各哲学者及び各テーマに関しての参考文献は,授業時に担当の各先生が呈示する。
『ハイデガーと解釈学的哲学 (叢書・ウニベルシタス 783)』
著者: オットー・ペゲラー 他(著)/伊藤 徹(訳)
出版社: 法政大学出版局,2003年12月
『ガダマーの世界 - 解釈学の射程 -』
著者: ジョージア・ウォンキー(著)/佐々木 一也(訳)
出版社: 紀伊国屋書店, 2000年10月
『ハンス=ゲオルグ・ガダマ―の芸術哲学―哲学的解釈学における言語性の問題―』
著者: 小平 健太
出版社: 晃洋書房,2020年2月