認識論II

文学部 - 哲学科

HPH54400

コース情報

担当教員: 川口 茂雄

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木4

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

30%

授業参加

70%

その他

積極的な授業参加と準備が求められます。(4回以上の欠席は成績Fになります。)

0%

詳細情報

概要

Heidegger 「Brief über den »Humanismus«」をドイツ語(または英語訳)で読む。 この「ヒューマニズムについての手紙」(1947年)はハイデガーの主著のひとつと目され,特にフランスや日本では広く読まれてはきた。だが,非常に難解だととらえられてもきた。理由としては,その以前の十年間ほどの間にハイデガーが考え続けてきたことと,これから新たに考え始めようとしていることとが混在しており,圧縮された短い表現の意味がとりづらいという点を指摘しうる。 ただし,過度に恐れる必要はない。むしろ率直に丁寧に読むことが理解への近道になるだろう。うわさ話的な先入見・偏った予備知識はなんら必要ない。むしろそうしたものを皆さんの意識から一旦しりぞけて,テクストそれ自体に,丁寧に接してみる機会としたい。 ドイツ語テクストを基本とするが,英語訳版での受講も可能とする。 担当者(受講者が多い場合は,担当グループ)に訳読してもらい,皆でディスカッションをしてゆく。 (日本語訳が現在入手しやすいもので二種類あるので,おおいに比較参照していただいてよい。ただ,いずれの日本語訳もやや独特であり,むしろ原文で読んだほうがわかりやすい面も多いことが,把握いただけるだろう。) ドイツ語の辞書は,大きい辞書と小さい辞書との二種類を併用することが便利だろう。 訳文が結果としてあっているかどうかではなく,辞書を何回,何百回引いたかという手を動かした回数こそが,あなたの知的体力になっていくという,トレーニング的なとらえ方がよいだろう。短期的な効率よりも,中長期的な知的体力づくりに資する学習を積み重ねていただければ結構である。

目標

・哲学テクストを読む行為を,一定水準で身につける。 ・外国語テクストへのアプローチの仕方を習得する。 ・ハイデガー哲学にかんする基本的な知見を取得する。 ・ハイデガーが他の思想家のテクストを読む際の「読み」の水準を体験し,理解する。

授業外の学習

予習が重要である。 自分の心の声を黙らせて,目の前の紙とインクに語らせる,ということを,少しずつでもいいので試みていただきたい。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. イントロダクション
  2. ハイデガー哲学についての概説
  3. Wir bedenken das Wesen des Handelns...
  4. Diese Fragen Ihres Briefes ließen sich...
  5. Wenn das Denken zu Ende geht, ...
  6. Soll aber der Mensch noch einmal...
  7. ここまでの振り返り
  8. Aber woher und wie...
  9. Jeder Humanismus gründet entweder
  10. Die Metaphysik verschließt sich...
  11. Das, was der Mensch ist, das heißt...
  12. Die Ek-sistenz, ekstatisch gedacht, deckt sich...
  13. Aber die Metaphysik kennt die Lichtung des Seins...
  14. 今学期のまとめ

教科書

(テクストはコピーを配布する。)

  • Wegmarken

    著者: Heidegger

    出版社: Klostermann, 1976

  • Pathmarks

    著者: Heidegger

    出版社: Cambridge University Press, 1998

参考書

  • 「ヒューマニズム」について

    著者: ハイデガー

    出版社: ちくま学芸文庫・1997年

  • ドイツ哲学入門

    著者: 鹿島徹・川口茂雄・佐藤慶太・渡辺和典(編)

    出版社: ミネルヴァ書房・2024年刊行予定

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