文献講読VA(仏語)

文学部 - 哲学科

HPH53503

コース情報

担当教員: 川口 茂雄

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 月5

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

25%

授業参加

55%

レポート

20%

その他

テクストの文法・内容・意味について,調べたことや考えたことの説明を試みてもらうので,担当者以外も全員が毎回十分に予習をしておくこと。 語学学習は短期間では成果を実感しづらいですが,気長に続ければ大丈夫。半年,1年ほど経ると,大きな変化を感じるものです(中学校の三年間などを思い出してみてもよい)。

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詳細情報

概要

フランス語の原典講読の授業である。 今学期は Paul Ricœur « Les rôles respectifs du juge et de l'historien » を読む。 このテクストは,リクールの最後の主著『記憶,歴史,忘却』の一部分(第三部第一章第三節)を先行して雑誌掲載したものであるが,当時大学生のエマニュエル・マクロンが短い序言を付している。この序言もあわせて読むことにする。 リクールは20世紀~21世紀フランスの最も重要な哲学者のひとりであり,歴史哲学にかんしても代表的な存在であるが,歴史学など哲学以外の分野の研究をも積極的に取り込んだリクールの仕事は,読み手に幅広い関心と知識を求めるものであることから,まだまだ十分に理解され受容されてはいない。 一方で,歴史的過去の認識という問題系は,現在のデジタル時代において,ますますアクチュアリティと重要性を増している。今学期のクラスは,この問題系にかんして,基本的な知識と理解を共有する場になればと願う。 哲学科開講のレベル300科目として,フランス語初中級の学習を前提に,独力で哲学的なフランス語文献を読めるようになるための基礎的な訓練という位置づけの授業。 授業の性質上,地道な予習が中心になる。学習のテンポと,辞書を引く速さと回数のリズムを,少しづつ習慣化していっていただければ結構である。

目標

1)フランス語の語学力を高める。 2)文献読解を通じて,文法の理解を深め,より高い汎用性を身につける。 3)時代的,社会的な背景を考えることで,原典への理解を深めていく。 4)発表と討議を行うことで,原典の講読によってもたらされる現代的な哲学の発想と意義について再認識できる場を設ける。異文化の思想のなかで自ら問いかけ,基礎的なコミュニケーションをおこなうことができるようになる。

授業外の学習

0)とにかく辞書をなるべくたくさんの回数引くこと。 1)次週授業範囲のフランス語を読んで日本語訳文を作成し,授業に出席すること。 2)語学力を高める文法学習と音読練習を行うために,さらに毎週1〜2時間程度の予習・復習時間の確保が必要である。 3)授業時には,語学面と内容面にかんするノートを各自こまめに作成し,復習および期末レポートの作成に役立てること。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. ガイダンス (※以下は予定であり,進捗状況により順序等は変更することがありうる)
  2. リクールの哲学についての概説的イントロダクション
  3. Emmanuel Macronによる序言
  4. Une comparaison entre la tâche de l'historien et celle du juge ...
  5. Certes, l'occasion est bonne de rappeler ...
  6. Le procès commence par mettre en scène ...
  7. Qu'en est-il alors de la confrontation ...
  8. 中間振り返り
  9. Ainsi, la discordance entre ...
  10. Pour éclairer le premier versant ...
  11. Second contraste : les procès criminels sont ...
  12. Le traitement par Osiel de ce type d'objection est ...
  13. Si j'évoque à cette place ...
  14. 今学期のまとめ

教科書

テクストはコピーを配布する。 あとは,とにかく辞書をしっかりと活用することが肝心。

  • La Mémoire, l'Histoire, l'Oubli

    著者: Paul Ricœur

    出版社: Seuil, 2000.

  • « Les rôles respectifs du juge et de l'historien »

    著者: Paul Ricœur

    出版社: Esprit, No. 266/267 (Août-septembre 2000)

参考書

  • リクール読本

    著者: 鹿島徹・越門勝彦・川口茂雄(編)

    出版社: 法政大学出版局・2016年

  • 表象とアルシーヴの解釈学 リクールと『記憶,歴史,忘却』

    著者: 川口茂雄

    出版社: 京都大学学術出版会・2012年

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