文献講読IIIA(仏語)
文学部 - 哲学科
HPH53501
コース情報
担当教員: 白川 理恵
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 火4
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
レポート
その他
あらかじめ決めておいた担当者に訳文を提出してもらう。それをもとに受講者全員でフランス語の文法や構文を確認する。また原典の内容やその意味について,調べたことや考えたことを説明してもらうこともある。担当者以外にも,積極的に議論に参加してもらうので,全員が毎回十分に予習をしておくこと。また期末の課題として,『言語起源論』を原典講読するなかで考えたことをもとに,授業で調べたことや発表と討論での議論を総合して最終レポートにまとめ,指定期日までに提出すること。
詳細情報
概要
フランス語の原典講読の授業である。 具体的には,「啓蒙の世紀(le siècle des Lumières)」と呼ばれた18世紀のフランスで活躍した思想家,ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau, 1712-1778)の論考『言語起源論』(Essai sur l’origine des langues)を題材として取り上げる。近代美学の生成期に生じた言語と音楽の起源をめぐる問題について考えてみたい。 ・哲学科開講の講義科目として,前年までのフランス語初中級の学習を前提に,中・上級への橋渡しとなるような授業を予定している。独力で哲学的なフランス語文献を読むための基礎的な訓練という位置付けである。 ・毎週の精読の作業を中心に,アクティブ・ラーニング(発表と討議)を月に1回程度実施する予定である。
目標
1)フランス語の基礎知識を反復学習することで語学力を高める。 2)文献読解を通じて,文法の理解を深め,より高い汎用性を身につける。 3)時代的,社会的な背景を考えることで,原典への理解を深めていく。 4)発表と討議を行うことで,原典の講読によってもたらされる現代的な哲学の意義について再認識できる場を設ける。異文化の思想の中で自ら問いかけ,基礎的なコミュニケーションを行うことができるようになる。
授業外の学習
毎回,次の授業までに必要な準備を指示する。 1)毎週の授業で課される次回授業の範囲のフランス語を読み,訳文を作成して,授業に臨むこと。予習時間としては60〜90分程度が期待される。 2)語学力を高める文法学習と音読練習を行うために,さらに毎週60〜90時間程度の予習・復習時間の確保が必要である。 3)授業後に,授業での訳文をチェックしたものと,発表や意見交換についての内容をまとめておき,期末課題となる最終レポートの作成に役立てること。毎週10〜70分程度。
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション (※以下は予定であり,進捗状況により各テーマは変更することがありうる)
- 『言語起源論』と著者ジャン=ジャック・ルソーについての解説
- テキスト講読①(第1章:思いを伝える様々な手段について)
- テキスト講読②(第4章:最初の言語の特性について)
- テキスト講読③(第7章:現代の音律について)
- テキスト講読④(第9章:南の言語の形成)
- テキスト講読⑤(第10章:北の言語の形成)
- 『言語起源論』とルソーのその他の作品との関連,時代背景についての解説
- テキスト講読⑥(第12章:音楽の起源)
- テキスト講読⑦(第13章:旋律について)
- テキスト講読⑧(第14章:和声について)
- テキスト講読⑨(第16章:色彩と音との偽の類似)
- テキスト講読⑩(第20章:言語と政体との関係)
- 『言語起源論』読解のまとめ
教科書
①講読用のテキストはこちらで用意する(参考のためテキスト1に記載する) ②文法書は使い慣れたものを使用する(参考のため参考書1,2,3に記載する) ③任意の仏和辞典(新たに購入する場合は中辞典以上)
Essai sur l’origine des langues
著者: Jean-Jacques Rousseau
出版社: GF Flammarion, 1993
参考書
『NHK出版 これならわかるフランス語文法 〜入門から上級まで』
著者: 六鹿豊
出版社: NHK出版 2016年
『新・コンタクトABC』
著者: 中川高行 柴田恵美 ほか
『名句で学ぼう! 初級フランス語』
著者: 柏木隆雄 小林宣之 脇聡
出版社: 朝日出版社 2013年