文献講読IIB(ドイツ語)

文学部 - 哲学科

HPH53400

コース情報

担当教員: 瀧 将之

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木3

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

20%

授業参加

20%

授業内期末試験

授業期間中

50%

小テスト等

10%

その他

5回以上欠席した学生,学期末試験を受験しない学生は原則として成績評価の対象としない(自動的にF評価となる)。 受講生の人数によって評価方法が変更されることがある。

0%

詳細情報

概要

ドイツ語の哲学文献を読みこなし,哲学的に思索する力を養うために,近現代のドイツ語圏の第一級の哲学文献の中から比較的読みやすいものを選んで読む。精読と速読を併用し,テキスト分析と通覧的な内容把握両方の修練を行う。文献読解の技法と作法を練成することを第一の目標とするが,適宜哲学的問題をめぐる討論・対話を行って思索を深めたい。 本学期はHannah Arendt: Vita activa oder vom tätigen Leben, PIPER, 2019を読む。昨年度まで著者自身の手になる英語版にて読み進めてきたので,今年度はその続きであるDrittes Kapitel:Die Arbeit, 14. Die Fruchtbarkeit der Arbeit im Unterschied zu ihrer vermeintlichen ≫Produktivität≪の途中から読む。 この第三章は,近代ヨーロッパにおいて,経済のもつ役割・範囲が肥大化したことによって公共性が衰え,代わって社会なるものが成立したことを歴史的かつ哲学的に把握しようとした第二章の議論を経て,人間の活動に関する三つの概念の一つであるdie Arbeitについて,それが生命の原理に根差した私的な活動であるにすぎないにもかかわらず,近代になって公共領域を覆いつくしてしまったことで,近現代の政治思想においていまや最大の関心事となってしまっていることを批判的に論じた箇所になる。 こうしたアーレントの論述は,過去の歴史を哲学的に捉え直すことに尽きるものではない。むしろ,自由や民主主義などを基本的価値とすることで我々も必然的に巻き込まれることとなった現代のグローバルな政治状況が,どのような政治・経済システムおよびそれに根差した人間の生に対する捉え方から生まれ育ってきたかを理解することに資するものである。

目標

(1)ドイツ語の哲学文献を読解する技法と作法を身につける。 (2)哲学の主要問題をめぐる思索の技法と作法を身につける。 (3)哲学的問題を討論・対話を通じて共同的に考える技法と作法を身につける。

授業外の学習

(1)(精読)授業の前に割り当てられた文献を分析的に読み,不明の語句を辞書で調べ,内容を要約して,授業中の質問に答えられるように準備する。 (2)(速読)授業の前に割り当てられた文献を通覧的に読み,概要を把握し書き留めて,授業中の質問に答えられるように準備する。 (3)本文で扱われる哲学的問題について思索し,自らの意見を授業中に発表し,討論に参加できるよう準備する。 (4)発表の担当者は以上(1)~(3)を促すために要約・解説・問題提起のレジュメを用意する。

所要時間: 授業 1 回あたり 190 分以上

スケジュール

  1. イントロダクション:授業の方針,文献,成績評価などについて重要な指示をするので,初回授業には必ず出席すること。 受講生の学習状況によって,授業計画が変更されることがある。
  2. 精読と討論(1)
  3. 精読と討論(2)
  4. 精読と討論(3)
  5. 精読と討論(4)
  6. 精読と討論(5)
  7. 精読と討論(6)
  8. 中間的総括
  9. 速読と討論(1)
  10. 速読と討論(2)
  11. 速読と討論(3)
  12. 速読と討論(4)
  13. 速読と討論(5)
  14. 学期末試験

教科書

Hannah Arendt: Vita activa oder vom tätigen Leben, PIPER, 2019. 授業担当者がマスター・コピーを用意する。

    参考書

    授業中に指示する。

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