古代哲学史*
文学部 - 哲学科
HPH12400
コース情報
担当教員: 荻野 弘之
単位数: 4
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 月3, 金4
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
定期試験
定期試験期間中
中間試験
授業期間中
その他
定刻に開始するので遅刻厳禁。 私語厳禁。 オンラインで行なう場合,ZOOMのIDはロヨラ掲示板を見よ。
詳細情報
概要
・今日に至る哲学的思考の基本枠を定めたプラトン,アリストテレスを中心に,古典ギリシア哲学の成立と展開とを概観する。 ・教科書的な概説は最小限にとどめ,できるだけ実際の資料や作品(邦訳)に即して紹介するので,受講者はテクストを読みながら,自分自身で考えてみること。 ・現代哲学の諸問題とも交錯する最新の研究状況の一端も併せて紹介する。 ・視聴覚教材を利用して,古代ギリシアの文化的な側面(美術,音楽,演劇,神話)にもふれたい。 ・哲学科1年生の必修科目であるが,他学科生や聴講生も受講できるように配慮する。特段の予備知識は不要。
目標
・哲学とは何を,どのように問う学問なのか,基本的な理解を得る。 ・西洋哲学史についての歴史的展望を得る。 ・哲学上の基本概念のいくつかを身につける(イデア論,質料・形相論,ロゴス,など)。 ・哲学的思考を適切に表現できる言葉を磨く。独りよがりで他人には理解不能な言葉,カッコいいと思っているだけで実は自分でも分かっていない言葉,などは一切使わないで,しっかりモノを考え,他人を説得できる練習。
授業外の学習
この授業は予習が不可欠。授業前に,2冊の教科書のそれぞれの該当箇所に目を通しておくこと。
所要時間: 200分
スケジュール
- 講義内容は,教科書に指定した拙著2冊の「目次」にほぼ準拠するが,進度によっては前後する場合がある。 哲学史を学ぶ意味,哲学と哲学史の関係
- 古代哲学の時代区分と地理的範囲
- ギリシア文字の読み方, 哲学の起源
- 「万物の原理」への問い(タレスとミレトス派)
- 輪廻転生と宇宙論(ピュタゴラス派) (古代ギリシアの音楽のCD)
- 神話の論理と倫理(クセノパネス)
- ロゴスの逆説と遊戯(ヘラクレイトス)
- 存在への旅(パルメニデス)
- 現象と論理(エレア派)
- 自然像の再構築(多元論と原子論)
- 国際化時代の到来と相対主義の思潮(ソフィストたち)
- 中間試験
- ソクラテスの伝記と真実 (クセノポンとアリストパネス)
- 無知の知 (『ソクラテスの弁明』)
- 哲学者の使命
- プラトン対話篇の解釈(『第七書簡』)
- 本質の問いと定義の論理(『ラケス』『メノン』)
- ソクラテスの論駁法(『ゴルギアス』)
- 正義と幸福(『クリトン』『国家』)
- 魂の不滅と想起説と(『パイドン』前半)
- イデア原因論(『パイドン』後半)
- イデア論の展開(『国家』『饗宴』))
- プラトン主義とキリスト教神学への影響(『パイドロス』『ティマイオス』)
- イデア論批判の論理(『パルメニデス』)
- 古代ギリシアの美的経験(美術のビデオ視聴)
- アリストテレスの哲学体系と方法
- カテゴリーの諸相(『範疇論』『形而上学』)
- ヘレニズム哲学 ローマ帝政期の哲学
教科書
(1)(2)の二冊は必携。予習したうえで,毎回持参する。 (3)は課外での学習のために推薦図書。
哲学の原風景――古代ギリシアの知恵とことば
著者: 荻野弘之
出版社: NHK出版,1999
哲学の饗宴――ソクラテス,プラトン,アリストテレス
著者: 荻野弘之
出版社: NHK出版,2003
新しく学ぶ西洋哲学史
著者: 荻野・山本・大橋・本郷・乗立(共著)
出版社: ミネルヴァ書房,2022
参考書
参考文献については授業中に指示する。
神秘の前に立つ人間--キリスト教東方の霊性を拓く--正・続
著者: 荻野弘之編
出版社: 新世社,2005(正),2010(続)
マルクス・アウレリウス『自省録』/精神の城塞--書物誕生
著者: 荻野弘之
出版社: 岩波書店,2009
奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業
著者: 荻野弘之/かおり&ゆかり
出版社: ダイヤモンド社