哲学入門*

文学部 - 哲学科

HPH12300

コース情報

担当教員: 長町 裕司

単位数: 4

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 月3, 金4

形式: 対面授業

レベル: 100

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

25%

授業参加

10%

定期試験

定期試験期間中

60%

その他

教科書としてのテキストは予め定めないが,それぞれのテーマについての授業内容のレジュメをテーマ毎に配布すると共に,取り扱う資料を毎回コピープリントとして手渡す。学期末試験の他に,上述の〈グループ発表〉での各自のプレゼンテーションも評価に加える。 課題作文「哲学の青春と蹉跌」を5月はじめの連休明けに提出してもらう。

5%

詳細情報

概要

「哲学入門の営みとは,私たちの事実的生の内部から哲学することへと共に歩みつつ導き入れることであり,日常の生活様式においては未だ冬眠中の哲学の根本体制を始動せしめることである」― このように入門の道程の意味を尊重しつつ,本学科新一年次生のクラスと共に哲学的覚醒を毎回目ざしてゆく。今日の精神状況においても哲学的に思考を呼び起こす11 のテーマ : ①時代の知の趨勢と哲学の学問性 ② 倫理について哲学は何が言えるのか ③ ことばを言葉において哲学する ④ 言語ゲームの概念 ⑤ 心の哲学と人格の同一性(「私」の探求)⑥ 哲学の歴史における〈美と真理の相克〉⑦ 時間への問い ⑧ 歴史を可能にするもの ⑨ 真理理解の諸相 ⑩ 世界観と哲学 ⑪ 哲学と宗教,といったテーマをどのように考えていけるか,若き世代の思考と対話的に週2回の授業を進めてゆきたい。

目標

大学4年間での(或いは,それ以後の人生における)哲学思索の道に分け入る上で,どのように問題を究明してゆくことが哲学的思惟に固有な営みなのかの練達を目ざす。〈思惟に習熟する〉という課題の基礎段階をこの春学期で達成できることが目標。それゆえ,学期末試験はすべて論述問題で,受講学生各自の哲学的な思考と論述力の進展が試される。

授業外の学習

上記①以外の(①は,哲学の営み全般に通底するテーマ)10 のテーマについて受講者各自の関心に従ってグループ分けを行い,各テーマを扱う数回の授業の最終回にそれぞれのグループによるグループ発表を行う。この発表のために,各自が自らのテーマへのアプローチをプレゼンテーションする準備と共に,グループで集まって話し合いを行う。 その他,各テーマについて配布する資料や文献は各自が読んでおくことを通して学習の発展を促す。

所要時間: 復習に100分程度,予習に90分程度を目安とする。内容は授業時にその都度示唆する。

スケジュール

  1. 哲学の営みへの導入とは? ― 1 )哲学に固有な学問性への問いへ(哲学の営みに跳入することの固有なむずかしさ と哲学的に考えることの独立性 ―)2) 授業計画 3) 各テーマの担当グループの決定 4) 学期末試験について
  2. 現代の知の趨勢と哲学の学問性(1)
  3. 現代の知の趨勢と哲学の学問性(2)
  4. 現代の知の趨勢と哲学の学問性(3)
  5. 倫理について哲学は何が言えるか(1)
  6. 倫理について哲学は何が言えるか(2)
  7. 倫理について哲学は何が言えるか(3)
  8. ことばを言葉において哲学する(1)
  9. ことばを言葉において哲学する(2)
  10. 言語ゲームの概念と20世紀における言語哲学の興隆
  11. 心の哲学と人格の同一性(「私」の探求)(1)
  12. 心の哲学と人格の同一性(「私」の探求)(2)
  13. 哲学の歴史における〈美と真理の相克〉(1)
  14. 哲学の歴史における〈美と真理の相克〉(2)
  15. 現代の芸術哲学の動向(再び,美と真理を巡って)
  16. 時間への問いと西洋における時間論(1)
  17. 時間への問いと西洋における時間論(2)
  18. 世紀における現象学の潮流を通しての〈時間への問い〉
  19. 歴史を可能にするもの(1)
  20. 歴史を可能にするもの(2)
  21. 真理理解の諸相(1)
  22. 真理理解の諸相(2)
  23. 世紀以降の真理理解の進展(現象学,解釈学,言語分析)
  24. 哲学と世界観(1)
  25. 哲学と世界観(2)
  26. 哲学と宗教(1)
  27. 哲学と宗教(2)
  28. 総括:『哲学入門』からの,「哲学すること」の今後の展望(および 学期末試験についての詳細)

教科書

特定の教科書をこの科目では指定しないが,哲学的思索への導きにとって意義深い本や参考文献は随時紹介する。

    参考書

    以下の幾つかの参考書は,全く異なったアプローチから〈哲学への入門〉を日本の今日の状況に鑑みて試みるものであるので,例示する。

    • 『14歳からの哲学 考えるための教科書』

      著者: 池田 晶子

      出版社: トランスビュー出版 2003年

    • 『哲学の歴史 ― 哲学は何を問題にしてきたか ―』(講談社 現代新書 977)

      著者: 新田 義弘

      出版社: 講談社 1989年

    • 『翔太と猫のインサイトの夏休み(哲学的諸問題へのいざない)』

      著者: 永井 均

      出版社: ナカニシヤ出版 1985年

    © 2025 上智非公式シラバス. All rights reserved.